“March For Our Lives”-銃社会アメリカで、銃規制強化のために若者たちが立ち上がったその物語とは?

“March For Our Lives“(マーチ・フォー・アワ・ライブズ=命のための行進)を知っていますか?3月24日、ワシントンDCを始めとするアメリカ各地で「銃による暴力で家族や友人が犠牲になるのはもう十分だ」という思いで立ち上がった学生たちを主導に、銃規制を求める大規模なデモが行われました。今回はアメリカの銃規制の問題に関して触れながらMarch For Our Livesについてご紹介したいと思います。

March For Our Livesのリーダーは学生たち

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2月14日、フロリダ州パークランドの高校で銃撃により14人の生徒と3人の教師の命が奪われるという痛ましい事件がありました。事件後、銃撃により友人を失った高校生たちは銃規制強化のために立ち上がり、その活動が各地の若者たちに波及し、Never Again MSDとして全米に広がりました。これらの学生たちと市民団体Everytown for Gun Safetyが協力して首都ワシントンDCでの抗議活動を呼びかけ、 何十万人もの賛同者が集まり3月24日に行われたデモがMarch For Our Livesです。

このデモはDCに限らず全米・世界各地に飛び火し、東京で行われたものも含め全世界で計800以上ものデモが 同日に開催されるという史上最大規模の運動となりました。

銃社会アメリカと銃規制

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アメリカでは 年間平均35,000人以上にのぼる人々が銃撃や銃を使った自殺により亡くなっていて、1日あたりに換算すると毎日約96人もの人々が銃により命を落としていることになります。合衆国憲法は銃の所持を認めていて、ある調査によると国民の約4割は銃を所有しているもしくは家に銃があると答えています。

銃の所持は国民の権利、抑止力や自己防衛のための所持、人を殺すのは銃でなく人であるといった理由を掲げて銃の所持を支持する人々がいる一方、多くの人々が誰でも簡単に銃を手に入れることができる現状の改正を訴えています。 実際アメリカでは、家にあった銃を子供が誤って発砲してしまい兄弟や家族を殺してしまった事件や、制度の緩さから本来銃を所有するべきでない精神疾患のある人が銃を手にし、それが乱射事件につながってしまったといった事件が後を絶ちません。

こういった現状を受けて大多数の世論が銃規制の強化に賛成していますが、制度面での改正は長年滞っています。

トランプ大統領と銃規制

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パークランドの乱射事件後、共和党のトランプ大統領は学校を守るために教師を訓練し銃を持たせ、有事の際には撃ち返せるような体制を取ること、銃購入者の経歴チェックの強化、 購入可能な最低年齢引き上げなどの提案を支持していましたが、反銃規制派のNational Rifle Associationとの会合のあとはその姿勢が弱くなったと批判されています 。また、教師に銃を持たせるというのも、学校にさらなる武器を持ち込むことになるため、反対の声が絶えません。今回のMarch For Our Livesは、さらなる制度改正につながるかもしれないと注目されています。

著名人も賛同したMarch For Our Lives

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このデモには学生だけでなく、著名人を含む銃規制に賛同する多くの人々が参加しました。 俳優のジョージ・クルーニー夫妻や人気司会者のオプラ・ウィンフリー、映画監督のスティーブン・スピルバーグはこのデモのためにそれぞれ50万ドル(約5,200万円)を寄付し、歌手のマイリー・サイラス、アリアナ・グランデ、デミ・ロヴァートなども会場に駆けつけました。公民権運動の指導者キング牧師の9歳の孫娘もデモ前の集会で登壇し、演説をしました。また、ビートルズのポール・マッカートニーも37年前に銃弾で命を落としたジョン・レノンの名前を挙げ、ニューヨークのデモに参加しました。

心に訴えかける若者、賛同者の力強い声

デモではMarch For Our Livesを率いた高校生たちが演説をし、参加者は銃規制の強化を主張するパネルを掲げて行進しました。演説やパネルの中から印象に残った言葉をご紹介したいと思います。

“Fight for your lives before it’s someone else’s job”
「命を守るために闘おう、(銃で)命を奪われる前に」
(エマ・ゴンザレス、パークランドの高校乱射事件の生存者)

“When politicians send their thoughts and prayers with no action, we say ‘no more’”
「政治家が何も行動にうつさないままお悔やみや祈りの言葉を送ってくるのにはもううんざりだ」
(デビッド・ホッグ、パークランドの高校乱射事件の生存者)

“We go to school to learn not to get shot”
「私たちは学ぶために学校へ行く、撃たれるためではない」

“My job is to teach not return fire”
「私の仕事は教えることで、銃を撃ち返すことではない」

“Protect lives not guns”
「銃ではなく命を守れ」

この活動を通して、ウォルマートなどでも簡単に銃を買えるアメリカ社会がどのように変わっていくのか、これからも注目していきたいですね。ぜひMarch For Our Livesと検索してみてください、様々な情報や銃規制に関する報道がなされています。デモの規模や若者の力強い言葉や行動に心を打たれるはずですし、アメリカ社会で生きていく上で、日本人も知っておいたほうが良い情報ではないでしょうか。