大人も躊躇する世界観!ブラック・ユーモアで名高いアメリカの絵本作家といえばこの人!生涯独身を通した愛猫家、奇才エドワード・ゴーリーとは?

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わかりやすいハッピーエンディングの絵本をお求めの方、また別の機会にお会いしましょう。幸せな結末、あふれる笑顔、カラフルで元気いっぱいの物語?ここにあるのは、不条理と虚無感、厳しい現実を誤魔化すことなく、あるがまま正直に描いた大人の絵本だけです。今回は、アメリカ生まれの絵本作家、残酷かつ繊細な作風で世界中の大きなお友達を虜にするEdward Gorey(エドワード・ゴーリー)を紹介します。

軍隊経験ありでハーバード大卒、絵本界の奇才エドワード・ゴーリー

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エドワード・ゴーリーは、1925年2月22日にイリノイ州シカゴで誕生した異色の絵本作家です。子ども向けの絵本とは真逆に位置し、終始不穏な雰囲気がただよう独特の作風で知られています。幾度となく重ねられたモノクロの線、どこをめくってもカラフルで幸せなページは出てきません。彼の作品では必ずと言っていいほど、いずれかの登場人物が死にいたります。むしろ、誰も死なない作品のほうが珍しいくらいです。読み終わると、救いようのない感情が押し寄せることも少なくありません。ただ、複雑な気持ちさえもクセになる、じんわりと侵食する静かな刺激で世界中の人を魅了しています。

ゴーリーの著名な4作品とあらすじ

The Gashlycrumb Tinies or, After the Outing
(邦題:ギャシュリークラムのちびっ子たちーまたは遠出のあとで)

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アルファベット26文字になぞらえて、ただただ26人の子どもが命を落とす物語です。深い意味など考える間もなく、1ページ毎に死因が綴られます。理不尽かつ悲惨、ご都合主義のハッピーエンドなど期待してはいけません。

The Doubtful Guest
(邦題:うろんな客)

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突如として我が家に加わった、奇妙な生物を中心に物語は展開します。いつのまにかやってきて、意味のない行動を続ける奇妙な客。すべてにおいて正体不明、それなのに家族は追い出すこともなく、17年の月日を共にするのです。

The Hapless Child
(邦題:不幸な子供)

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転がり続ける不幸の連鎖、主人公の女の子が行きつく先には果して何が待つのでしょうか。ゴーリー作品の中には、恐らく「救済」という概念はありません。色々な意味で、ハンカチのご用意を!

The Loathsome Couple
(邦題:おぞましき二人)

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ゴーリーの作品の中でも、特に世間からの風当たりが強かった物語です。実際にイギリスで起こった事件を元に描かれており、恐らく読む人全てをゾワゾワさせることでしょう。ゴーリーでさえも、想像した以上に不愉快な作品であると後に語っています。

Edward Gorey House(エドワード・ゴーリー・ハウス)

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エドワード・ゴーリーの終の棲家となったのが、マサチューセッツ州にあるヤーマスポートです。2000年に75歳で亡くなるまで、2万以上の書籍と愛する猫たちに囲まれた生活を送っていました。エドワード・ゴーリー・ハウスは1979年に購入され、1986年にゴーリーが実際に暮らすようになるまで、7年の月日をかけて改装されたものです。そんなゴーリーこだわりの趣向を凝らした邸宅は、彼の死後に博物館として一般公開されるようになりました。ゴーリー作品の展示はもちろん、彼が生涯力を入れた動物福祉への取り組みなども紹介されています。

エドワード・ゴーリーは、幼い子がもつ残酷な一面を代弁するかのような絵本を世に生み出しました。あからさまに皮肉めいたものではなく、背後から忍び寄るような感覚を読者に植え付けます。もはや、万人ウケなんて気にする必要はありません!一度ハマると抜け出せない、奇妙なゴーリーの世界へ飛び込んでみてください。