多忙なアメリカ生活で伸びきったその髪、寄付してみませんか?意外と簡単、アメリカでのヘアドネーションの方法とは?

アメリカで暮らしているとなかなか美容院に行けなくて、気づけば髪がすごく伸びていたという経験は誰しもが一度はしているのではないでしょうか。そんなあなたの伸びきった髪、実は必要としている人々がいるのをご存知でしょうか?アメリカではただ切って捨てられるはずの髪を、寄付できる制度があるんです!今回は、そんなアメリカでのヘアドネーションの方法について、ご紹介します。

ヘアドネーションとは?

A post shared by Eunice Rolda (@ice_rolda) on


ヘアドネーションとはその名の通り、ある程度伸びた髪の毛を非営利団体に寄付することです。寄付された髪の毛は、何らかの病気や闘病により脱毛してしまった女性や子供たちのためのウィッグとなります。髪の毛は精神的安定のためにとても大切だと言われていて、失うと見た目を気にしてしまい内向的になったり、自信を失ってしまったりする人も多いそうです。何年もかけて伸ばした愛着のある髪の毛を寄付することで誰かの笑顔を取り戻すことができるかもしれない。すごく素敵なことだと思いませんか?

髪の毛は高級品、だからこそ寄付を

A post shared by HairMystiqueLLC (@hairmystiquellc) on


髪の毛は高価ものだという事を知っていますか?例えば人毛産業が盛んなインドでは 、エクステやウィッグのための人毛輸出額は毎年約4億ドル(約420億円)にものぼります。アメリカでも、人工繊維のウィッグは安く手に入りますが、人毛のウィッグをオーダーメイドで作ると値段は1000~2000ドルほどに跳ね上がります。闘病生活をおくる人々の中には、高価な人毛のカツラを買えない人もたくさんいるのです。そういった人々を対象に、寄付された髪の毛でウィッグを作り無償で提供している非営利団体があります。

どんな髪の毛を寄付できるの?

A post shared by NIDOL for hair (@nidol_for_hair) on


寄付が可能な髪の毛の条件は団体によって少しずつ違います。染めてある髪の毛や白髪でも受け付けている団体がある一方で、バージンヘアのみを受け付けている団体もあります。長さの条件も団体によって変わってきますが、12インチ(約31センチ)あれば大抵どこの団体へも寄付できます。

どうやって切ればいいの?

A post shared by Katori Republic (@katorishears) on


自宅で切って寄付先に送ることもできますが、美容院へ行く際にヘアドネーションをしたいと伝えるのが1番簡単です。美容師さんは寄付のための髪の切り方を知っていますし、切った後はその場で思うようなヘアスタイルにしてもらえるからです。また、美容院によっては割引サービスがあったり、寄付先に直接送ってくれるサービスがあったりするので、近隣や行きつけの美容院に一度確認してみることをおすすめします。

どの団体へ寄付するにも共通している髪の切り方は、以下の通りです。

1. 髪の毛を完全に乾かす
2. 髪を何本かに分けてそれぞれ輪ゴムなどで束ねる
3. 束ねた箇所の上を切る

切った束は輪ゴムを取らずにその上からまたひとつに束ね、ティッシュなど柔らかいもので包んでジップロックに入れ、封筒に入れて発送します。カビが生えた髪やバラバラになった髪は使われずに破棄されてしまうので、髪の毛をよく乾かし、ほどけないように束ねることがとても大切です。

信用できる団体に寄付をしよう

A post shared by Diana (@coveykeating) on


数年前、アメリカで1番有名なヘアドネーション団体Locks of Love(ロックス・オブ・ラブ)が、寄付された髪で製作したウィッグを無償ではなく有償で提供しているという噂がたちました。真相はいまだにわかっていませんが、この団体はその他にもウィッグには使えないと判断した髪の毛をウィッグ製作資金のために転売することを認めていたり、寄付される髪の毛の量に対しウィッグの製作数が少なすぎることへの批判があったりと、寄付する側としては疑問が残ります。せっかく寄付するなら信用できる団体へ寄付したいですよね。そこで、評判の良い2つの団体をご紹介したいと思います。

Pantene Beautiful Lengths(パンテーン・ビューティフル・レングス)

A post shared by lily stamm (@lilystammdesign) on


誰もが聞いたことのあるヘアケアブランド、パンテーン。この団体はAmerican Cancer Societyと協力して、癌と戦う女性にウィッグを提供しています。2006年に設立されてから80万もの髪束が寄付され、これまで42,000人に無償でウィッグを提供してきました。ひとつのウィッグを作るのに8〜15束の髪の毛が必要であると明記していて、単純計算してもほとんどの髪の毛がウィッグに使われていることがわかります。8インチ(約21センチ)から寄付できますが、カラーやパーマ、ブリーチなどを施していない髪が対象です。また、白髪は髪の毛全体の5%未満であれば寄付が可能です。

Wigs for Kids(ウィッグズ・フォー・キッズ)

A post shared by Saerin Ally Cho (@lovelightlaw) on


Wigs for Kidsは30年以上にわたって化学療法や放射線治療、脱毛症、火傷などで髪の毛を失った子供たちに無償でウィッグを提供してきました。ウィッグは子供たちが活発に動いても自然に見えるようにデザインされ、細部までこだわって作られます。カラーやパーマ、ブリーチなどを施していない12インチ(約31センチ)以上の髪の毛を対象に募集していて、白髪も量に関わらず寄付できます。髪束の中に混じっている短い髪も、捨てずに前髪や顔まわりの髪用に使うことを明記している点も好印象です。また、Wigs for Kidsのオフィスがあるオハイオ州には提携サロンもたくさんあるので、オハイオ在住の方はぜひ確認してみてください。

筆者も数ヶ月前に初めてヘアドネーションをしましたが、自分の髪が病気と闘う誰かの支えになるかもしれないと思うとなんだか感慨深いものがありました。また、何年間もずっと代わり映えのないロングヘアのままだったので、寄付をきっかけに10年ぶりくらいのショートヘアとなり、とても良い気分転換になりました。

最近ヘアスタイルを変えていないな、切るならばっさり切りたいなと考えている皆さん、ぜひヘアドネーションをしてみてはいかがでしょうか。前述したように寄付の条件や手順は団体によって微妙に異なるので、髪の毛を切る前に寄付を考えている団体のウェブサイトを必ず確認することをおすすめします。