アメリカの緊急速報は地震でなく、誘拐が発生したとき!?周囲のスマホが一斉に鳴り響く、子どもの命を救うアンバーアラートとは?

アメリカでは、毎年異常な数の行方不明者が出ています。大人の失踪者だけでなく、子どもの行方不明も後を絶ちません。原因不明を除くと、やはり第一に浮かぶのが「誘拐」です。アメリカには、アンバーアラート(AMBER Alert)とよばれる誘拐発生を知らせるシステムがあります。今回は、あなたの携帯電話にも通知されるかもしれない、子どもたちを誘拐犯から取り戻すためにアメリカで不可欠なシステム、アンバーアラートをご紹介します。

 

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見覚えのない緊急速報に焦る日本人が続出?自然災害でもテロでもない、子どもの安全を守るアンバーアラート

アンバーアラートが作動すると、ワイヤレス緊急警報(Wireless Emergency Alerts、WEA)システムを通じて、該当する地域住民のスマホにメッセージが送信されます。詳しい説明がないため、突然のアラームに戸惑うかもしれません。アンバーアラートを知っていてもドキッとするのに、知らなければさらに慌ててしまうことでしょう。

アンバーアラートは、未成年者(ガイドラインの推奨年齢は17歳以下)の誘拐事件が発生した際にテレビやラジオ、スマホなどに速やかに情報が通知されるシステムです。日本人に馴染みのあるアラームといえば緊急地震速報ですが、その誘拐バージョンがアンバーアラートであると覚えておきましょう。

アラートの名前が「アンバー」である理由とは?

 

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アンバーアラートは、実際に発生した誘拐事件の被害者の名前に由来します。1996年テキサス州アーリントンで当時9歳のアンバー・ハガーマン(Amber Hagerman)が誘拐され、残念なことに事件は最悪の結末を迎えてしまいました。以前よりアラートシステムの導入を望む声が高まっていたことに加え、さらに事件がきっかけとなってアンバーアラートが創設されることになったのです。

ちなみに、AMBERはAmerica’s Missing: Broadcast Emergency Responseの略でもあります。現在はアメリカ全域で採用されており、カナダやプエルトリコでも導入済、全世界に広がりつつあるシステムです。

心臓に悪いけど意味がある!アンバーアラートの内容について

 

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アンバーアラートが携帯電話に受信されると、該当する地域名と誘拐された子どもの名前や年齢、容疑者の名前と車両ナンバーおよび車の特徴などが表示されます。その段階でわかる限りの情報が届くので、場合によっては簡素すぎる内容であることも少なくありません。これだけ意味があるの?と心配されそうですが、アンバーアラートのおかげで多くの子どもたちの命が救われています。1997年から2017年11月までの間で、実に897人もの子どもたちが無事に家族の元へ帰ることができました。

アンバーアラートの効果は想像以上らしく、通知を見た犯人がそのまま子どもを解放するという事例もあるようです。瞬時に情報を共有できるアンバーアラートは、子どもたちの命を守るために欠かせません。誘拐事件を安全かつ迅速に解決へと導くシステムです。できれば関係ないと流してしまわず、事件の早期解決を祈りつつ、周囲に変わったことがないか気を配るようにしてみてください。

 

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