アメリカで妊娠中のトラブル?人種の体格差を無視して『胎児の手足が短すぎる』と診断されてしまった時の対処や受け止め方とは?

アメリカで妊婦健診を受けると、日本人やアジア人の血をひく赤ちゃん(胎児)は「手足が短すぎる」と診断されてしまうことがあります。その結果、心配や不安にとらわれてしまう妊婦さんも多くいらっしゃいます。なぜこのようなことが起きるのでしょうか?今回は、もしアメリカの病院で胎児の体格について問題ありと診断されてしまったらどのようにすれば良いのか、まとめてみました。

胎児にも人種による体格差がある

アジア人と白人、黒人、ヒスパニックなど人種による体型の違いはアメリカにいると実感しますよね。実は大人だけでなく、お腹にいる赤ちゃんの頃から人種間の体格差は始まっています。

週数が若い頃は違いがありませんが、20週目以降差が出てきて、最終的に出生する40週目では大きく開きます。一番重い白人の赤ちゃんとアジア人の赤ちゃんでは数百グラムの差があります。この体重差は特に脚や腕の長さに現れてくるので、アジア人の血をひく赤ちゃんはエコー検査で「手足が短い」と診断されてしまうことがあるのです。

引用元論文URL:https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-study-finds-racial-ethnic-differences-fetal-growth

「手足が短い」と診断される問題

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「手足が短い」と言われるだけで、他のところが元気なら大丈夫じゃないかと思われるかもしれません。しかし、「胎児の手足が短い」ことで様々な問題が起こってきます。

●染色体異常や胎盤の機能低下が疑われる
染色体異常の中には、「胎児の手足が短いこと(四肢短縮)」が特徴になる疾患があります。特にダウン症(Down’s Syndrome)を疑われることが多いようです。

また、染色体異常でなくとも、母体から栄養や酸素が十分にいきわたってないと判断されてしまうことがあります。その結果、早めに誘発分娩されてしまう方もいるそうです。

●エコー検査の回数が増やされる
一度ダウン症などの疑いが出ると、経過観察のためにエコーの回数が増やされます。通常アメリカでの妊婦健診のエコーは2~3回と言われていますが、それより多くなります。筆者の場合はエコーが合計8回になり、日本なみの回数になりました。

●妊婦自身や家族のストレスになる
ただでさえ心身ともにデリケートな妊娠期間中です。お腹の赤ちゃんに重大な疾患があるかもと思うと妊婦さん自身も家族も不安になるでしょう。

また、エコー検査が追加されるので、加入している保険によっては金銭的負担になりますし、待ち時間が妊婦さんの身体的負担にもなります。

人種の体格差の知識がOBGYN(産婦人科)に広まっていない

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なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それは、アメリカの産婦人科で使われている胎児の大きさの基準値がアジア人に合っていないからです。ほとんどの病院では白人ママさん達から算出した数値を基準にしているので、日本人含むアジア人の体格には対応していません。「胎児のうちはまだ人種による体格差なんてない」という医師もいます。

NIH(国立衛生研究所)の研究によると、アジア人など小さめの人種の母親の赤ちゃんが「小さい」と誤診される率は15%、健康なのに不必要な検査や手続きを追加されてしまっていることがよくあるようです。

参考URL: https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-study-finds-racial-ethnic-differences-fetal-growth

「四肢が短い」と診断されてしまったら

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実際にアメリカでのエコー検査で胎児の手足が短いと言われてしまった時の対処をまとめました。

●日本の基準を知る
アメリカの基準で「短い」と言われても、日本人のサイズとしては充分なこともありえます。日本で出産経験のある方ならすぐ「この大きさで『小さい』と言われるのはおかしい」と気づけますが、初産の方は日本の胎児の基準値も知っておいた方が良いでしょう。

●父母の身長やルーツを確認しておく
赤ちゃんの手足が短い場合、病院側から赤ちゃんの両親の身長を再確認されます。日本人同士のカップルだけでなく国際結婚の場合でも、どちらかがアジア人の血をひいていれば起こりうることなのでルーツも確認しておきましょう。

● ハイリスク産科にかかる
「四肢が短い」=疾患の可能性があるので、かかりつけの医師からもハイリスクのお産を専門に診る病院や施設を紹介されることがあります。普通の産婦人科よりも細かくエコー技師が見てくれたり、専門医が対応してくれます。異常が無くても、異常が無いことを確実にして安心するために診てもらうのも良いかもしれません。

● 医者選び、転院を考える
そもそも日本人を多く診ている先生だったら、日本人の四肢のサイズで異常という診断は下さないでしょう。アジア人患者に不慣れで、すぐに「異常」と決めつけるような産婦人科だったら、日本人やアジア人の患者さんを診慣れている先生やクリニックへの転院も検討した方が良いかもしれません。

転院手続きに関しては「アメリカで通院中の産婦人科がどうも気に入らない…そんな時どうする?よくある転院理由、手続きと注意点について!」の記事を参考にしてみてください。

アメリカでの妊娠で「赤ちゃんの手足が短すぎる」と言われてしまう問題についてご紹介しました。日本人妊婦だけでなく、他のアジア系妊婦さんも赤ちゃんのサイズを指摘されて不安を覚えることが多いそうです。アメリカで妊娠のご予定がある場合は、あらかじめ人種による体格差や対処法を知っておいた方が安心です。