渡米まもないビジネスマンは必読!駐在初心者がつまづきやすい労働環境の違い5選

初めてアメリカに赴任される方は期待と不安が入り混じった状態で着任されることでしょう。筆者自身も約20年前に初めてアメリカに赴任し、今まで色々なことを経験してその場その場を乗り越えてきました。自身の経験も踏まえて、これだけ憶えておけば、アメリカでの駐在員生活をスムーズに始められるというポイントを、失敗談も交えてお伝えします。

社内では世間話をしましょう!


日本の会社では、仕事中の私語は慎むようにという風潮があり、社内で仕事以外の話をすることはあまり無いかもしれません。しかしアメリカでは、社内のいたるところで世間話に花が咲いている場面を良く見かけます。駐在員として初めて赴任した方は、この状況をみると遊んでばっかりで仕事していないと思われると思いますが、ここは一旦、気持ちを切り替えてその世間話に参加してみましょう。日本人のほとんどは英語力に自信が無いので会話を最小限にとどめてしまったり、日本で仕事をしている時と同じように社内で余り会話をしないということを心がけてしまい、アメリカ人から日本人は仕事の話しかしないとか、何を考えているか分からないと思われがちです。初めてアメリカに赴任された方は、まずは社内で同僚と会話をする時間を取って、世間話をされることをお勧めします。筆者自身は週に何度か同僚と昼食を一緒に取り、スポーツや文化の違いの話しをして、楽しい時間を過ごしたことを憶えています。そうすることで相手からの信用も築かれ、仕事面でも生きてくることは間違いありません。コツは相手のプライベートに興味を持つことです。

会議中の日本語は控えましょう!


これは筆者自身も経験したことがありますが、アメリカ人が数人と日本人が数人参加した会議があり、その際、会議途中で一人の日本人が同僚の日本人に日本語で話掛けてしまい、その後しばらく日本語での会話が続き、会議を中断させてしまったという話は、アメリカの日系企業では良く聞かれる話かと思います。日本語で話をしている間、アメリカ人は日本語が理解出来ない場合が多いため、その場にいたアメリカ人は疎外感を感じてしまい、自分には知られないように大事なことを話していると思われがちです。これを解決するには、アメリカ人が参加した会議は英語のみと決め、英語で会話し続けるようにしましょう。

職務内容は明確に!


日系企業の場合は、仕事の要求度合いに応じて、フレキシブルに業務に対応することが要求されるため、職務範囲が広範囲になる場合が多々あります。しかし、アメリカではこの慣習は当てはまりません。例えば、部下のアメリカ人に仕事をお願いした際、「This is not my job(これは私の仕事ではない)」と言って、断られることはよくあることです。アメリカにはジョブ・ディスクリプションという各ポジション毎の職務内容を記載したリストがあり、この職務内容に従って仕事をすることがその人の役割であり、ジョブ・ディスクリプションに記載されていないことをお願いする場合、新たにその内容を職務内容に追加し、場合によってはその分の報酬を積み増さなければいけません。また、ジョブ・ディスクリプションは、他の社員の領域を侵さず自分の範囲のみ責任持って業務を遂行しなければならないという意味もあります。この様な場合の雇用側としての対策としては、職務範囲が状況によっては広範囲になる場合があるという説明文をジョブ・ディスクリプションに入れて、フレキシブルに対応する必要があることを雇用前に説明し、合意を取ることです。

アメリカにホウ・レン・ソウはない。

日本では、部下が上司にコミュニケーションをとる際は、報・連・相(報告・連絡・相談)という形を取ることをほとんどの職場において行われていることと思います。一方、アメリカでは報・連・相のように、頻繁に部下が上司に報告したりするようなことはありません。無い理由は、余り頻繁に報告したり、相談したりしていると、上司から無能な部下と思われる可能性があるということと、上司の時間を相談などで費やしていると悪い評価につながると考えられているようです。ちなみに、アメリカでは上司の部屋に入って相談したりすることは、余り良く無い話の場合が多く、退職の話、給料の話や仕事上のトラブルの話の内容に偏りがちです。

“Yes, I can.”はどの程度、信用して良いか ?

アメリカ人の部下に仕事を頼んだ時に、良く聞く返答が「イエス・アイ・キャン」という前向きな返答かと思います。筆者も部下に仕事を頼み、この返答をもらった後、心待ちに仕事が終わるのを待っていました。しかし、一向に終わりません。終わるどころか、今日は他にやることがあるので、出来ないと言われました。ただ、この時考えないといけないのは、どれだけ相手に緊急性がきちんと伝わっていたかということで、仮に、単に仕事をお願しただけでは、いつまで経っても終わらないでしょう。仕事を依頼する時は、本日中もしくは本日午後5時までという様な具体的な締め切り日を伝えておくと、彼らはきちんと対応してくれます。これは日本でも同様だと思いますが、特にコミュニケーションは予め明確にしておいたほうが、後々トラブルになりにくいので良いはずです。

日系企業がアメリカに進出してからかなりの月日が経ちますが、未だに色々な問題があるようです。特に今回お伝えした内容について言えば、ほとんどコミュニケーションに関する問題です。当然ですが、日本人にとってアメリカは異文化であるため、まずはアメリカ人の考え方を理解した上で、コミュニケーションを取ると様々な場面で話しが上手く進み、部下と良い関係を築けると思います。郷に入れば郷に従えということわざがあるように、ぜひ一度、アメリカ式の働き方を試してみてください。