アメリカで人気のモンテッソーリ教育、そのユニークなカリキュラム内容とは?

アメリカの学校について調べていると、モンテッソーリという名前を耳にする機会が出てくると思います。筆者はオレゴン州ポートランドのモンテッソーリ校で1年間インターンとして勤務をしましたが、そのユニークなカリキュラムや考え方にとても驚かされました。今回はモンテッソーリ教育の基本情報をまとめましたので、ご紹介します。

 

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モンテッソーリ教育のはじまり

 

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モンテッソーリ教育とは、19世紀にイタリアのローマの精神病院で勤務していたマリア・モンテッソーリが考案し、研究・発展させた教育法で、もともとは障がいを持つ子供達への治療教育からはじまりました。その後、貧困層の子供達へ「子供の家」という保育施設を設立、独自の教育法を実践し効果をあげてきました。モンテッソーリ教育は欧米を中心に広がり、たくさんのモンテッソーリ式の保育施設や学校が作られています。

モンテッソーリ教育の特徴

 

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日本モンテッソーリ教育綜合研究所ではモンテッソーリ教育の基本を下記のように記しています。

「子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。 大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」

モンテッソーリ式では子供の自発的な取り組みを重視しているため、先生が一斉に何かを教えることがなく、子供自身が興味のあることや好きな教具を使い課題に取り組んでいきます。教室で使われる様々な教具は世界共通のものになります。教室のレイアウトも子供が自由に動け教師が見守れるような一定の形式に定められています。

モンテッソーリ式のメリット・デメリット

 

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モンテッソーリ式教育では通常の学校のような教科書やテストがありません。子供は自分の興味のあることに集中して取り組めるため、個性を伸ばすことができ、自己肯定感を高まるのが一番のメリットです。ただし日本の義務教育の方式とは全く異なるため、集団生活や規則などに馴染めなくなる危険性があるというデメリットも考えられます。

アメリカのモンテッソーリ校について

 

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モンテッソーリのカリキュラムは義務教育課程から外れてしまうため、日本のモンテッソーリ校は基本的にはプリスクールと私塾のみです。そのため幼児教育のイメージが強いですが、アメリカでは幼児~高校まで全米に3000近くのモンテッソーリ式スクールがあります。

公立でもモンテッソーリを取り入れている学校も多く、モンテッソーリ式で学ぶのは珍しいことではありません。規模の大小はありますが各地域にモンテッソーリ校があるので、子供の学校選びの時に一つの選択肢として考える家庭が多いようです。

筆者はモンテッソーリ校で実際に教務補助などを行う中で、とてもイキイキと自らの課題に取り組む子供達と出会い、「こんな教育方法もあるんだ」と感心しました。自由や個性を大切にするアメリカ社会でもさらに独特なモンテッソーリ教育ですが、どこの学校も人気があり、日系や日本人駐在の家庭の子供も多く通っています。日本の教育システムとは大分異なりますがメリットも多いモンテッソーリ教育、学校選びの際には検討してみても良いかもしれません。

 

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