アメリカの日本語補習校ではどのような教育が行われているのか?「起立・礼!」から始まる一日のスケジュールに密着!

筆者が教えている日本語補習校は、アメリカ中西部の学園都市にあります。市内にあるザイオン・ルーサラン教会の地下室を借りて、毎週土曜日の9:30~12:30まで補習授業をしています。学園都市という恵まれた環境で、さまざまな日本語のバックグラウンドをもつ生徒たちが共に学習しています。今回は、そんな補習校の毎日の風景をご紹介したいと思います。

日本語補習校で教わる教科


補習校に付属している幼稚部と義務教育である小学部と中学部があり、日本国籍を持つ約60人の生徒が文科省のカリキュラムに沿って、国語と算数・数学を中心に勉強しています。日本では一年かけて教わるものを補習校では40回で終わるので、大変なスピードでこなすことになり、生徒にもかなりの集中力が必要です。単発的に大学から講師を招いて科学の実験をしたり、保護者による書道やそろばん教室が開催されることもあります。補習校内での会話は日本語のみ許可されています。

1時間目(9:30 ~ 10:45)国語

始業時間よりずっと早めに登校して宿題を提出します。あらかじめ保護者のチェックを受けている宿題に講師が目を通して、コメントを書き込んでいます。9:30分きっかりに日本式に「起立・礼・おはようございます!」の挨拶で授業が始まります。まず先週の復習である漢字クイズがあります。提出し終わるとすぐに、教科書に入ります。ものすごいスピードで授業は進み、特に低学年の生徒には苦痛である長時間の着席ですが、講師は様々な教材を作って生徒が飽きないように工夫することも。生徒が見たことも聞いたこともない日本独特の言葉(単語)や言い回しなどは、特に噛み砕くように教えて理解させています。時には笑い声も響き渡り、和気あいあいと授業が進められています。

休み時間(10:45 ~ 11:00)

休憩時間には、子どもはトイレに行ったり持参したおやつを食べます。お天気の良い日には、講師の監督の下で教会の外に出ておやつをいただいたり、駆け回って体力を発散する子どもいます。トイレは授業中でも我慢せずに挙手して先生に伝え、教室を出ることができます。

2時間目(11:00~12:00)算数・数学

現地校でも教わっているので二重に学習することになり、ほとんどの生徒が算数・数学がとても得意です。日本の方が数学に関しては教育レベルが高いので、英語が不得意な生徒でも現地校での計算問題は全く問題がありません。中3(現地校では高1)のクラスは少人数で全員が優等生なので、講師は彼らのレベルに合わせて教科書から発展した高レベルな学習をしています。

3時間目(12:00~12:30)予備の時間

講師により内容は変わってきます。授業中に計画通り終わらなかった科目を補足授業したり、低学年ではクラフトや文科省唱歌を教える音楽の時間に使うこともあります。中学部では与えられた課題についてリサーチをしてきて討論をしたり、数か月に一度発行する学校新聞を編集する時間に使ったりしています。また、科学の実験やその他のお稽古もこの時間に行います。

その他、学校全体での催し物

補習校のあと全員が参加する9月のリンゴ狩りや、市立図書館を借りて作文やリサーチのプレゼンテーションをするなど、日頃の成果を発表する機会もあります。日本人会主催の新年会にも全員参加し、生徒のお父様が一本の大木から彫り上げてくれた臼と杵を使って餅つき大会をして、お母様方がぜんざいを作って皆にふるまってくれたりします。

日本語補習校は生徒の学力を養う場所ではありますが、日本人としての団結力を強く感じられる場所でもあります。保護者会や授業参観や講師会議も頻繁に行われ、補習校と保護者または保護者同士が密に連絡を取り合いながら、子ども達の日本語教育について情報を交わしています。在米日本人にとって補習校とは、他の日本人と共に和気あいあいとアメリカ生活が楽しめる、素晴らしい憩いの場であることが多いので、これからお子様を通わせようかなと検討されている保護者の方はぜひ一度見学に行ってみてはいかがでしょうか?