アメリカで日本語講師のお仕事をしてみよう!資格やスキルは必要ない!?日本語学習者に教えてあげると喜ばれることとは?

みなさんは、日本語講師の仕事に興味がありますか?日本生まれ日本育ちということもあり、日本語は堪能だけれど、講師だなんて敷居が高い!なんて諦めている人もいるかもしれません。仕事内容は国や雇用先によっても若干違うと思いますが、今回は、実際にアメリカで日本語講師の仕事に就いている筆者の体験談をご紹介したいと思います。

 

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日本語講師になったきっかけ

筆者が日本語を教える仕事に就いたのは、7年前のことです。日本語講師の求人をみて、応募したのがきっかけでした。この仕事に就く前は、アメリカで別の仕事をしていました。元々、日本とアメリカの両方の学位を持っていたこと、また、人と接することが好きな性格のため、日本語を教える仕事には以前から興味がありました。

アメリカで日本語講師になるには?

現在アメリカで日本語講師になるのは、結構大変です。もちろん、住んでいるエリアによって、日本語の需要がたくさんあるところもあると思います。しかし、筆者が渡米した頃から、すでに全体的に日本語の需要が減りつつありました。今から20~25年ほど前と比べると、明らかに求人数は減っています。外国語はその時代のニーズに合わせて需要が変動することもあり、今は日本語よりも中国語の方が人気です。しかし、2020年には東京でオリンピックが開催されることもあるので、今後また状況が変わってくるかもしれません。

アメリカで日本語講師になるためには、特別なスキルはいりません。逆を言えば、日本語を話すネイティブであれば、誰でもなれます。ただ、自分がどういった人達を対象に教えるかによって、必要な学歴や資格などは変わってきます。例えば、アメリカの大学で教えたり、研究職に就く場合、大学院の卒業学位は必須です。語学学校や現地企業、地元のアメリカ人の学生向けの公立学校などで教える場合は、大学卒業以上です。自分で語学学校を開いたり、家庭教師として教える場合は、特に学位を求められることはありません。

また、日本で日本語講師として働くのに必要な420時間の日本語講師の資格ですが、現地で雇用される場合、あまり必要とされません。もちろん資格を持っていて困ることはないですが、今後もしアメリカで日本語講師を目指すという方であれば、アメリカの大学や大学院の学位を取得されることをおすすめします。また、分野が少し違っていても、過去に教えた経験があることを履歴書にも書けます。

日本語学習者は、どんな目的で日本語を学んでるの?

日本人が英語を学ぶのと同じで、アメリカ人が日本語を学ぶ目的も様々です。筆者が今まで出会った学習者さん達は、大きく4タイプに分けることができます。

●日本で働きたい!→大学生や社会人であり、日本で働くことを目的に日本語学んでいる方が多いです。大学生の場合、JET(The Japan Exchange and Teaching)プログラムを通して日本で英語の教師になることを目指していたり、大学卒業後は日本で英語教師になりたいという方が多いです。社会人の場合、すでにキャリアがある場合は、日本の企業で働いてみたいというはっきりとした目標を持っています。特に、エンジニアや技術系の職種に就いている方が多いです。

●日本の文化が好き!→若い世代には、日本のアニメやマンガが好きという方が非常に多いです。彼らは自分が好きなアニメやマンガから、自然と日本語を学んでいるようです。

●日本人のパートナーや配偶者がいる!→相手と一緒に生活していく中で、日本語の必要性を感じて学んでいる方々です。学習者の世代も様々です。

●日本との結びつきがある!→日系人やアメリカ生まれの日本人の方々です。生まれ育った国は違いますが、彼らは日本語の環境で育っていたり、日本人との結びつきが強いので、接していてもほとんど違和感を感じないという印象です。

日本語学習者に人気の「オノマトペ」

日本人が何気に使っているオノマトペ。「ザーザー」や「ドンドン」といった擬音のことですが、これがなかなか学習者の間で人気があります。もちろん、オノマトペは英語にもありますが、日本語ほど数多くありません。日本語のオノマトペは、英語以外の他の言語と比べても、圧倒的に多いと言われています。

これは、おそらく私達の話す言語の由来にも関係していると思います。日本語の起源は、今でもよく分かっていません。世界の言語の系統図を見ても、日本語はほぼ孤立言語とされています。また、日本は島国で一般的に昔から単一民族国家と言われているので、言語も独自に進化していったと考える研究者達が多いです。アメリカ人にとって不思議で魅力的なオノマトペですが、これを学ぶことによってより一層学習者らのコミュニケーションが豊かになると思います。

今回は、アメリカで日本語講師になる方法を実体験も含め、簡単に紹介してみました。お友達に軽く「日本語教えてよ!」なんて言われた場合でも、拍手は「パチパチ」、爆発音は「ドカン」など、オノマトペを紹介してあげると喜ばれるかもしれませんね。もちろん向き・不向きはありますが、多くの在米日本人にとって、日本語講師というお仕事は非常に有意義な体験になると思います。興味のある方は、ぜひチャレンジしてみませんか?

 

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