ホノルル空港がダニエル・K・イノウエ国際空港に名称変更 ハワイで最も有名な日系の英雄イノウエ氏とは?

われわれ日本人にとって観光地として馴染みが深いハワイ。毎日おおよそ4,000人の日本人が渡航していると言われています。バケーションのシーズンともなると、毎日6,000人もの日本人が訪問していますが、その人たち全員が通るハワイの玄関と言えば、ホノルル国際空港です。2017年4月27日、そんなホノルル空港の名称が変更になりましたが、この名称変更には日本人として知っておきたい大切な由来がありますので、ご紹介します。

 

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ダニエル・K・イノウエとは

 

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ハワイ州議会は、ホノルル国際空港の名称をハワイ出身で50年以上に渡り上院議員を務めたダニエル・K・イノウエ氏にちなんで「ダニエル・K・イノウエ国際空港」に変更することを決定しました。すでに2017年4月27日より空港の名称は変更されています。これからは空港のアナウンスで「ダニエル・K・イノウエ国際空港へご出発のみなさまへご案内いたします…」というようになります。ただし、当面は混乱を防ぐためホノルル空港という表現も続けるとされています。

ダニエル・ケー・イノウエ氏はアメリカ政府初の日系人として議員を務め、オバマ政権では大統領継承順位3位の上院仮議員でした。第二次世界大戦では医療支援、ヨーロッパなどで戦闘に参加。その際に右腕を失う大怪我を負ってしまい医者になる夢を諦め、政治の道に進みました。生涯に渡り献身的に日米のために働き、アメリカ政府から一般市民に与えられる最高の勲章である「自由勲章」を授与された、ハワイで最も有名な日系の英雄です。残念ながら、イノウエ氏は惜しまれつつ2012年に亡くなりました。

人名が付けられる空港はとても名誉なこと

 

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アメリカやヨーロッパでは、空港に歴史的な人物の名称を用いることは珍しいことではありません。人名が付けられている空港として、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港やローマのレオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港などが有名です。ロサンゼルスは国際線ターミナルが人物名になっており、トム・ブラッドリー国際線ターミナルと呼ばれています。このトム・ブラッドリー氏は20年間もロサンゼルスの市長を務めた人です。このように空港の名称になる人物は、社会に対し大変な影響力や偉大な功績を残した人ばかりです。

日本人にとって、身近な国際空港の名称が日系人の名前になったことは大変喜ばしいことですよね。これから先、ダニエル・K・イノウエの名前を聞く機会が増えると思いますが、ここまで紹介したような功績や背景があることを知っておくと、その旅にも深みが出ると思います。イノウエ氏は亡くなる直前に「ALOHA」と言って息を引き取りました。くしくも空港のメインビルには同じ「ALOHA」の文字が掲げられています。

 

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