アメリカ現地小学校のスクールランチはこれでいいのか?日本の学校給食との根本的違いとは?

食育とはほど遠いジャンクフードが盛り沢山のアメリカ小学校のスクールランチ。日本人には給食が一般的ですが、アメリカではスクールランチで通っています。筆者の息子も長い間スクールランチには大変お世話になりました。そこで今回は、筆者が驚いたアメリカの小学校のスクールランチ事情をご紹介します。

 

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体育館がカフェテリアに早変わり

 

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通常昼食はカフェテリアで食べますが、カフェテリアがない小学校ではお昼になると体育館があっという間にカフェテリアに変わります。カストディアンと呼ばれる掃除専門の人が、椅子付きの折り畳み長机を体育館いっぱいに広げてくれ、低学年から学年別に体育館に入ってきます。各学年の持ち時間は25分、列に並んだり移動の時間を除くと食べる時間は正味15分しかありません。しかも生徒たちは食べる時間を惜しんでおしゃべりに夢中になるので、残飯が半端ではありません。

愛想の良いランチレディ

 

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よく映画で見るように、ランチのカートに沿って生徒が長い列を作って順番を待っています。自分の番になると、ランチレディが愛想よく生徒たちに声をかけながら、その日のメイン料理をトレーに乗せてくれます。あとは自分でサラダ、フルーツ、デザートやミルクをトレイに取っていきます。

カラフルなプラスチックのトレイに5つの仕切り

 

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メイン料理と野菜用のコンパートメントは大きめで、ミルクとフルーツとデザートは小さめになっています。生徒は全種類をトレイに取るよう指導されてはいますが、どうしても自分の好みに偏ってしまうので、栄養のバランスがとれているかどうかは微妙です。最近は太り過ぎの子どもが増えているので、甘いデザートの量を半分に減らす試みがなされましたが、同じ料金を取られるため賛否両論でした。

メイン料理

メイン料理には2種類の日替わりメニューがあり、生徒は朝一番に自分が好きな方を選んで担任に知らせます。メイン料理はホットカートに入っているので、結構温かいものを食べることができます。ハンバーガー、チキンバーガー、ピザ、チキンナゲット、ホットドック、スパゲティ・ミートソース、ミートボール、イタリア風パスタ、ケサディア、リブステーキなどがあります。

すべて安い肉を型で押したような冷凍食品を、オーブンで温めたものです。バーガー類に野菜は入っておらず、肉とパンだけ。チーズはお好みでランチレディが挟んでくれます。魚のフライは年に1~2回のみ。やはりお肉が中心です。

小学校には調理できる専用キッチンがないので、管轄の高校の巨大キッチンで調理されたものが運ばれてきます。作るランチの量が膨大なので、どうしても冷凍食品を加熱することになり、手作りの料理を期待することはできません。ただ、一般家庭の台所を見ても、食事の支度に手間暇かけない、短い時間で効率よく、缶詰や冷凍食品のどこが悪い!という勢いですから、すなわちそれがスクールランチにも反映されているようです。

サイドメニュー

 

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野菜:プチトマト、人参、セロリ、きゅうり、サラダ菜など生野菜が1~2種類。根菜類を煮込んだお惣菜はなく、ほとんどが生のままです。その他、フレンチフライ(ポテトのフライ)はやはり超人気ですが、豆を超甘く煮たベイクドビーンズはあまり人気がありません。

フルーツ:バナナ、りんご、オレンジ、ぶどう、スイカなどのフレッシュフルーツや缶入りのミックスフルーツがあります。

デザート:コーヒーケーキ、ブラウニー、クッキー、フルーツカップ、ヨーグルト、氷菓子、ポテトチップ、ビスケット、ゴールドフィッシュなどがあり大人気です。歴代大統領の誕生日には好物だったケーキが出たり、ハロウィーンやフットボールなどの行事によっては特別なケーキやクッキーが焼かれ、子ども達を喜ばせています。

ミルク:スキムミルク、20%ミルク、チョコレートミルク、ストロベリーミルクの4種類があります。

ママと一緒にランチも可能

 

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面白いのは、希望すれば家族や祖父祖母なども、生徒と一緒にランチを楽しむことができます。また、お天気のいい日にはピクニックもあり、全員が校庭に出てワイワイとランチの時間を過ごしています。個人のアレルギー情報は学校に登録されていますが、スクールランチにはアレルギー対応がされていません。

アレルギーの生徒はランチを持参し、一般のテーブルから隔離され特別席に座ることで、アレルゲンに触れない配慮がなされています。クラスメートから離れるので、少し可哀そうな気がします。また、自宅からランチボックスを持ってくる生徒も多く見かけます。おやつの延長としか思えないメニューが堂々のランチメニューだったのには、最初びっくりしました。

国のガイダンスに沿って栄養士が張り切って立派なメニューを考えているはずで、ランチメニューはその国の食育事情がよくわかりますね。アメリカに来てお子さんを学校に通わせる時に驚いてしまうかもしれませんが、食事が心配な方はお弁当を作っていくと良さそうです!

 

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