松本さんのロードアイランド大学留学体験記②【アメスマ交換留学】
今回は現在、アメリカのロードアイランド州キングストンにある、ロードアイランド大学(the University of Rhode Island)へ交換留学をしている松本さんに、 ロードアイランド大学(the University of Rhode Island) の様子や研究内容について、お話してもらいました。今後、アメリカ留学を目指す皆さんにとって、必見の内容です!
松本さんの留学体験記、第一回目の記事をご覧になっていない方は、「松本さんのロードアイランド大学留学体験記①【アメスマ交換留学】」を先にお読みいただくことをオススメ致します。
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ロードアイランド大学基本情報
ロードアイランド大学(the University of Rhode Island)はボストンとニューヨークの間にあるロードアイランド州に位置する大学です。ロードアイランド州は日本人にとっては聞きなれない州名だと思いますが、ビーチや島があり、リゾート地として有名な州です。また2つの大都市に挟まれているので、少し足を延ばせばボストンやニューヨークに遊びに行くこともできます。
・気候
天候については基本的に日本とあまり変わらず、夏の温度は、日本とあまり変わらず、湿度が比較的低いため、若干日本より快適に感じます。しかし、雨の日も少なくなく、降るときには結構降ります。
・移動手段
州内はRIPTAというバスの路線があり1路線ならたった1ドルでどこまででも乗ることができます。ロードアイランド大学(the University of Rhode Island)から、州内で一番大きな都市のプロビデンスまではRIPTAを使って1ドルで、1時間ほどで行くことができます。州の外に出るときは大学の近くにAmtrak(全米をカバーする長距離用列車、新幹線よりだいぶ遅い)の駅があるのでボストンにもニューヨークにもAmtrakで行けます。ニューヨークとボストンが近くにあるとはいえ、ロードアイランド州自体はとても自然が豊かなどちらかというと田舎の州です。ロードアイランド大学(the University of Rhode Island)の周辺も草原や森ばかりで先述のAmtrakの駅までは徒歩で30分ほどかかります。
・キャンパス
大学の外だけでなく、構内中も自然が豊かで、ありとあらゆる場所に木々や草花が植えられています。野生の動物もよく姿を現します。リスやウサギは勿論、シカや大型のリス科の動物、ウッドチャックにも会うことができます。私はよくロードアイランド大学(the University of Rhode Island)にあるジムから寮に帰る際によくウッドチャックに出会います。彼らはとても警戒心が強く、人に気づくとすぐさま木の下の巣穴に逃げ込んでしまうのですが、大きいわりに結構俊敏なので始めに見たときには驚かされました。
・大学内施設
ロードアイランド大学(the University of Rhode Island)の中には2つのジムがあり、そこへほぼ毎日研究室が終わった後に通っています。日本のジムに比べて、値段も安く設備も充実しているように感じます。また、ロードアイランド大学(the University of Rhode Island)には一緒に来ている同じ大学の数人の学生以外に日本人留学生を見かけたことは一度もありません。そもそもアジア人を見かけることも稀です。しかし、大学にはIEP house (International Engineering Program house)という寮があり、そこには多くの中国人の留学生が滞在しています。私もその寮に滞在しています。私が実習を受けている研究室は薬学系の研究室で、何故かこの薬学研究棟には例外的にたくさんの中国人留学生がいます。自分の研究室も教授も中国人で、メンバーの約半数が中国出身の留学生の方々です。
・ 休みの過ごし方
この自然の中で休日を満喫しようと休暇にはたくさんの現地の人々が森の中のキャンプ場でのんびりと時間を過ごしています。森だけでなく、海岸も近いので週末にはたくさんの人々がビーチに訪れます。ロードアイランド州にはたくさんのビーチがあり、大学から近いナラガンセットビーチや、橋でつながった島の町ニューポートにあるビーチや、フェリーで行くことができるブロックアイランドにあるビーチなどが人気です。
後、休日はやはりボストンとニューヨークに近いので、休みの日は遊びに出かけることは多いです。特にボストンへはバスと地下鉄を利用するとかなり安く行けるので大変便利です。ボストンにはMIT(マサチューセッツ工科大学)やハーバード大学があり、有名大学の中を観光しに行くのもおススメですし、美術館やアメリカの独立をテーマにした博物館に行ってみるのも勉強になると思います。
留学先での授業、研究情報
私が通うロードアイランド大学(the University of Rhode Island)での研究室の名前はAdvanced Drug Delivery and Bioengineering Research Laboratoryと言います。この研究室の主なテーマは新規ドラッグデリバリーシステムや新規製剤の開発です。中でも微粒子キャリアを用いて研究している方が多いです。
・研究テーマ
微粒子キャリアというのは、目的の薬をその中に取り込ませて体の目的の部位だけで作用するように工夫して設計された直径が大体100 nmほどの小さい粒子です(1 nmは1 mの一億分の1)。材料として生分解性のポリマーや脂質でできたリポソームなどが主にキャリアに用いられます。
さらに、その微粒子キャリアに抗体を結合させるなどして、特定の分子を認識させる機能を付加することで目的とするターゲットを狙い撃ちすることもできます。厳密に微粒子キャリアの性質を制御することで薬の運び屋として能力を活かし、効き目のあり、副作用の少ない薬剤に設計することができます。
この研究室の教授は特に脳と眼へのドラッグデリバリーシステムの開発に取り組んでいます。また、試験管内での薬の試験と生体を用いた試験の結果を照らし合わせたりして、結果の関係性を導き出すという研究も行っています。
・実習の内容
私が今実習で行っているのは、生分解性のプラスチックであるPLGAというポリマーを材料にして薬としてクルクミンを詰め込み、より効果があり副作用の少ない微粒子キャリアを作成するという内容です。大学院生がまず一連の実験操作を教えながら目の前で実験を行ってくれて、その後自分で院生に見てもらいながら実験を再び行うという流れで実習を受けています。
クルクミンはウコンに含まれている強い抗酸化力を持つ物質で、体内の酸化ストレスを軽減することができます。このクルクミンを詰め込んだ微粒子キャリアを作成する中で、実験に必要な知識や詳しい機器類の操作方法を英語で教わるのはとても難しいと感じました。
・研究室での様子
私が所属するロードアイランド大学(the University of Rhode Island) のAdvanced Drug Delivery and Bio-engineering Research Laboratory研究室には現地の人だけでなく、エジプトや中国など様々な国から来た大学院生やポスドク(博士号の研究者)の方がいるので、様々ななまりのある英語を聞いて理解するのに苦労しました。それだけでなく、英語で相手が説明している内容を聞き取って理解しながら、機器の操作方法や細かい手を使う作業を見て覚えるのはそれだけでも十分大変でした。
しかし、研究室に現地の人だけでなく、世界各国から訪れる研究生や学生がいることは、自分が人種のるつぼといわれるアメリカにいることの実感に繋がりました。日本の大学の研究室は日本人と、少数の留学生で構成されるといった感じですが、こちらの研究室には現地の人よりも外国から来る留学生の方が多いので、アメリカ以外の国から来た大学院生とも交流を深め、その国の文化や情勢、また人々の持つ価値観などを知る良い機会にもなります。
この研究室は積極的に海外からの留学研修生を受け入れているようで自分以外にも日本からの留学研修生が1人、中国からの留学研修生が1人研修を受けています。この研究室には様々な種類の実験機器類が設置されており、最新の創薬研究のための機械も揃っています。日本にいるときにはなかなか使えないような高性能な機器類も使用できるので、より実験をスムーズに行うことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?製薬に関する専門的な内容でチャレンジングなアメリカ留学生活を過ごす松本さんですが、日米の研究の進め方の違いや、留学生が多い環境の違いを肌で感じているようでした。ロードアイランド州キングストンのロードアイランド大学(the University of Rhode Island)で研究活動をする松本さんですが、その様子は引き続き、このmAmerica(まめりか)で共有していただきます。次回の投稿もお楽しみに!