カリフォルニアでの育休制度

州が違えば、国が違うと言われるほど、アメリカでは法律制度が州によって大きく異なります。法人税や個人の所得税が高い州安い州、労働者にとって働きやすい州そうでない州など、様々です。そんな中から、今回はカリフォルニア州の育休制度に着目し、内容をご紹介していきたいと思います。

カリフォルニアでの育休はアメリカでは恵まれている

http://www.techrepublic.com/

出典:http://www.techrepublic.com/

 

ある日、オバマ大統領が言いました。
「Today, we’re the only advanced country on Earth that does’t guarantee paid sick leave or paid maternity leave to our workers.」

 

翻訳するとこんな感じ。
「国民に有給での病休や育休を保証していないのはこの地球上でアメリカだけなんです!」
ということで、アメリカは子育てをするには大変な国だと憂いている状況が分かります。
実際のところ、どうなのか、見ていきましょう。
※カリフォルニア州以外の州はまた別の州法がありますので、ご注意ください。

Job ProtectionとIncome Replacementの2つの機能

まずは以下の表をご覧ください。

 

最初に用語の解説をしていきます。

【FMLA:Family and Medical Leave Act】

妊娠をきっかけに勤務不可の状態になった女性従業員、または妊娠した妻を持つ男性従業員の雇用を守るための法律で、妊娠休暇に入って最長12週間、現職の雇用が守られます。
※50名以上で12カ月、1250時間以上働いた一般企業の従業員にのみ適用されます。
また、米国政府や州政府に勤める公務員には自動的に適用されます。

【PDL:Pregnancy Disability Leave】

FMLAに上乗せする形で、育休として活用できる制度で、最長4カ月まで現職の雇用が守られます。

【CFRA:California Family Rights Act】

FMLAと同様の内容の法律で、SDIが終了し、PFLが始まるタイミングから適用可能で、最長12週間まで現職の雇用が守られます。

【SDI:State Disability Insurance】

病気や怪我などで出勤不可の状態になってしまった従業員の給与を保護するための法律で、妊娠や手術などの場合にも適用されます。通常は10週間まで、手術が必要なケースなどは最長12週間まで政府から現職で得る程度の給与が支給されます。

【PFL:Paid Family Leave】

2004年に制定された法律で、子育て(養子を含む)や深刻な病状の親族を介護するために休暇を必要とする従業員の給与のうち、55%を政府が保証します。2014年には祖父や孫まで法律の解釈が広がり、最長6週間まで給与の55%が支給されます。

 

まず第一印象、めっちゃ複雑っ笑!
一つ一つ細かく見ていくと、弁護士やコンサルタントが必要になるレベルなので、ここではさらっと大枠を掴んでいきましょう。

 

上記の法律や制度には2つの側面があり、それが表の右端にある「Job Protection(雇用保護)」と「Income Replacement(給与埋め合わせ)」で、以下のように振り分けることができます。

「Job Protection」:FMLA、PDL、CFRA⇒最長28週間の現職保護
「Income Replacement」:SDI、PFL⇒最長16週間の給与埋め合わせ

 

ということで、現職保護や給与埋め合わせが少なくともあることが分かり一安心、オバマさんは大袈裟に物事を語るなぁ、と思った皆さん、注意が必要です!
上記の法律は「カリフォルニア州限定」の話で、オバマさんは決して嘘を言ったわけではありません。

アメリカ合衆国の法律として定められているのはFMLA(現職保護)のみで、有給の休暇を定めているのはカリフォルニア州など、ごく一部の州だけなのです。州が違えば国が違うというアメリカの特徴を改めて感じますね。

こういう風に見てみると、日本の企業は福利厚生が充実してるところも多く、アメリカで働くよりも働きやすいと言えるのかもしれませんね。