アメリカ在住、お互い日本人だからと言ってすべてがうまくいくとは限らない!よくある日本人同士のトラブルとその解決策とは?

日本での常識が通じないアメリカ生活、特にそれが初めての海外生活では誰でも苦労します。そんな時、日本語で話せる日本人同士の付き合いが息抜きになることもありますよね。しかし、日本人同士だからと言ってすべてがうまくいくとは限りません。今回は、筆者が駐在妻として体験したり見聞きした日本人同士のトラブルと、その解決策についてご紹介します。

 

アメスマバナー

ご近所トラブル

 

A post shared by たかはきゅー(準硬式) (@stjpn7700) on

教育環境、治安が良く通勤に便利なところなど、地域にもよりますが日本人に人気の居住エリアは偏りがちです。その結果、ご近所に日本人がたくさんいて、みんな日本人ということで顔見知りになることも。困ったことがあれば日本語で助け合えたり、日本人の視点での地域情報が得られるというメリットもありますが、時には日本人コミュニティ内のつながりが濃密になりすぎてしまうことがあります。

トラブル例:

●会社関係者が近所に住んでいる

同じ会社から派遣されている日本人家庭は、会社推薦の居住地域、不動産、物件が被ることがあります。この場合、プライベートでも社内の人間関係を意識しなければなりません。特に、日本人としては上司や先輩、そしてそのご家族から何か頼まれたり誘われたりすると断りづらく、ストレスに感じることがあります。また、ご近所に会社の知り合いがいるということで、家からちょっと出かける時も人目を気にしなければいけないかもしれません。このようなケースを避けるには、最初から自力で住居を探したり、プライベートはプライベートと割り切って、自分に負担の無い付き合いの範囲を明確にしておくことが必要です。

●ママ友関係

アメリカで暮らしていても子供に日本語が話せるお友達を作ってあげたい、子育てについて日本語で話したいと思う日本人ママは多いです。ところが、上記のように近所に会社関係者が多いとママ友関係にも影響が出て息苦しさを覚える人もいるかもしれません。また、ビザや会社の規定、お子さんの状態によって、日本にいる時よりも専業主婦の日本人ママの割合が多くなっている地域もあります。日中家や子供向け施設で過ごしている時間が長いので、人間関係が濃密になりやすいです。 もし、日本人同士のママ友付き合いに息苦しさを感じたら、思い切って普段利用する子供向け施設を変える、他の国のママ友を作るなど自分から環境を変えたり居場所を増やしたりするのがおすすめです。

●肩書に固執してしまう人

アメリカで生活している日本人には留学生、現地採用職員、国際結婚、駐在員、駐在妻など色々な肩書きの人がいます。それぞれの考え方や生活パターンにある程度の傾向はありますが、それはあくまでも傾向であって実際には個人の考えで行動していることがほとんどです。 しかし、中には自分や相手のステータスだけで相手や付き合い方を判断してしまう人もいます。偏見をもって対応をしていると意外と相手に伝わりますし、トラブルの元になりやすいです。新しく来た人に、自分の気に入らない集団について悪く吹き込む人もいます。 苦手だと思った集団の中にも気が合う人がいるかもしれません。肩書きではなく、個人を見てご自身で判断した方がトラブルを防げます。

日本人同士の物の売買

 

A post shared by 新山 洋正【旅館 湯田荘】 (@niiyama_hiromasa) on

日本人が多い都市では専用の日本人向けコミュニティサイトや掲示板があり、そこで不用品の売買をすることも可能です。日本人相手に交渉できるので、英語に不慣れな人にとっては特に便利ですが、気を付けなければいけないトラブルもあります。

トラブル例:

●図々しいお願いをされる

クラシファイドサイトでの売買では、受け渡し日時と場所も個人同士で打ち合わせなければいけません。大抵のクラシファイドサイトでは、売り手の都合に合わせる場合がほとんどですが、中にはびっくりするような要求をしてくる買い手もいます。筆者自身、遠方の買い手の都合の良い場所に運んできてほしいと頼まれたり、非常識なレベルで値下げを要求されたりした経験があります。 日本人同士だからと言って、中古品売買への認識も通じ合うと思いこまないように、負担に感じるお願いをされたら毅然と断ることが重要です。

●突然連絡が切れる

ネットで売買の交渉をする場合、突然連絡が途切れることもあり得ます。成約後の引き渡しの打ち合わせ中に、もっと条件の良い相手を見つけたのか連絡が途絶えてしまうのです。 筆者の場合、一番困った経験がこちらのケースです。処分品を売却しようとした際「○月○日に買取に来るから取り置きしてほしい」と頼まれて快諾したのですが、期日になっても連絡がとれず、そのまま無断でキャンセルされてしまいました。慌てて他の購入希望者を募りましたが、引越が迫っていたので焦りました。 このような事態を避けるために、売買をする際はドタキャンされてしまう可能性も考えて第2、第3の交渉相手を確保しておく方が良いかもしれません。日本人相手だからといって気を緩めすぎないようにしたいものですね。

●連絡先を悪用される

売買の打ち合わせにはメールアドレスや電話番号が必要ですが、日本人相手でもこの連絡先を悪用されてしまう恐れがあります。取引が終了しても、相手の事業の宣伝が来たり、第3者に連絡先が流出してしまうなどのケースがありました。 打ち合わせ用のフリーメールアドレスを用意したり、帰国間近なら日本では使わない予定の携帯番号を使うなど用心が必要です。

怪しいセミナーや講座の勧誘

 

A post shared by 蘭 (@ran_ran1102) on

渡米をきっかけに起業や教室を開く方も多いですが、近年特にセミナーやコーチング、情報商材など目に見えないモノやサービスを売る人が増えています。普通の商品や技術を売るよりも、難しい資格が不要で元手が少なく済むので気軽にビジネスを立ち上げることができます。しかし、購入側にとっては実体がないために良し悪しの判断がしづらく、料金は1回数十ドル~と高めに設定されています。

「高い料金を払ったのにあまり実がなかった」「本に書いてあるようなことしか話されなかった」等日本でもこのようなビジネスは最近問題視されています。加えて海外生活では特に日本人向けコミュニティサイトや掲示板、メーリングリストで宣伝されることが多く、付き合いで断りづらいケースも見られます。日本から離れて生活しているがために、このような商法やトラブルになっていることを知らない人もいます。

対策としては、出欠連絡の前に主催や講師の身元を調べることをおすすめします。大抵の主催者はWebサイトを持っていますが、このサイトから具体的に事業として何をしているか読み取れない場合は警戒した方が良いかもしれません。

アメリカ生活における日本人同士のトラブル例をご紹介しました。もちろんアメリカで出会う日本人全員が悪い人ではありませんが、良い意味でも悪い意味でも、普通に日本で暮らしていたら出会わなかったような人と出会ったり、付き合わなければいけない場面も出てくるかもしれません。大切なのは日本人相手だからと言って甘えすぎず、かといって警戒しすぎないことだと思います。ご自身にとって居心地の良い距離を保ちながらアメリカ生活を楽しめますように。

 

アメスマバナー