アメリカでの出産でトラブル発生!駐在妻が語るNICU(新生児集中治療室)での体験談、日本との違いや気になる医療費は?

アメリカでのご出産、ほとんどの方は無事に元気な赤ちゃんに出会えますが、中にはトラブルが発生して赤ちゃんがNICU(新生児集中治療室)に入ってしまうこともあります。今回は日本とアメリカでそれぞれ出産し、2回とも我が子がNICUにお世話になってしまった筆者の経験から、アメリカのNICUについてご紹介します。備えあれば憂いなし、緊急事態のために知識を蓄えておきましょう!

 

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NICUとは

 

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NICUとはNeonatal Intensive Care Unitの略で、日本語では新生児特定集中治療室と訳されます。早産による未熟児や出産時~生後すぐのトラブルや疾患によって体調を崩した新生児が専門家からケアを受けられます。

アメリカではNICUの名称の他に

・Special Care Nursery

・Intensive Care Nursery

・Newborn Intensive Care

などの名前で呼ばれることがあります。病院によって採用している名称は違いますが内容は同じです。

日本と同じく新生児ケアの専門知識がある医師(Neonatologist)や看護師、他に必要であれば各種の専門家によるケアが受けられます。 赤ちゃんへの面会方法ですが、モニターや親子共通のタグで受付、開錠してもらってから中に入ります。手指の消毒もマストです。母乳を毎日届ける家族もいて、基本的には日本の様子とほとんど変わりません。 毎日担当医と看護師が赤ちゃんに割り振られていますので、治療の詳細や経過、NICUで赤ちゃんにしてあげたいことなどは彼らに質問、相談します。

NICU設備と英単語

 

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NICUにお世話になった場合見聞きする可能性の高い専門用語と設備をまとめました。

・IsolettesまたはIncubator:保育器(Isolettesは代表的な商品名)

・IVs(Intravenous Catheter):静脈内カテーテル (NICUにいる赤ちゃんのほとんどがこのカテーテルを通して水分や薬の点滴を受けます。病状によっては太いものになってしまうこともあるそうです)

・Arterial lines:動脈カテーテル

・Phototherapy:黄疸(Jaundice)の治療に使われる光線治療の機械

・Ventilator:人工呼吸器

・Monitor:心拍数など赤ちゃんの状態を反映しているモニター

・Infant warmer:赤ちゃんを適温に温める機械

・Feeding tube:自力で飲めない赤ちゃんが使うミルク用の管。装着している様子は痛々しいですが、痛みはないそうです。

アメリカで初めてNICUに入ることになる方も多いかもしれませんが、設備自体は日本のNICUとそれほど変わりません。

日本のNICUとの違い

 

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① 面会

日本のNICUの面会時間は日中に限られていることがほとんどです。一方、アメリカのNICUは24時間面会可能であることが多く、いつでもお見舞いに行くことができます。

日本でもアメリカでも、赤ちゃんとの面会は家族に限られています。日本では特に赤ちゃんの両親に限定されていることが多く、子供(赤ちゃんの兄弟)は入れません。アメリカでも原則両親に限られていますが、病院によっては時間制限付きで上の子も面会できます。

② 個室

日本のNICUといえば明るい部屋に保育器が並んでいるイメージが有名ですが、アメリカのNICUは個室(Unit)が与えられ、中に保育器が安置されています。それぞれの赤ちゃんに合わせて照明などの環境を整えられたり、母親が気兼ねなく授乳や搾乳ができるメリットがあります。

③ 医療費

アメリカの医療費は日本のシステムと大きく異なります。日本では健康保険以外にも未熟児養育医療制度など、各種の補助のおかげでNICU入院費の自己負担額は少なくなります。しかし、アメリカでNICUに入ることになった場合は赤ちゃんの体調だけでなく医療費のことも心配しなければいけません。ほとんどの医療保険では生後約30日間(保険により厳密な日数は異なります)、新生児のケアは母親が入っている保険でカバーされます。ところが、契約している保険によっては医療費が高額になることが予想されたり、入院がわかっている場合は保険会社への事前承認(Pre-authorization)が必要になります。事前又は入院直後の保険会社への連絡や必要な手続きを怠った場合、保険会社がNICU入院費の支払いを拒否するケースもあるようです。

また、赤ちゃん自身の保険加入手続きも進めなければいけません。 NICU入院は長期になることも多いので、医療費も高額になる傾向があります。事前承認を求められていない保険の場合でも、一度保険会社に入院費がどのくらいカバーされるか、いくらくらいになるか、何かしら手続きが必要になるか問い合わせた方が安心です。赤ちゃんが生まれたばかりで治療を受けることになり、心身ともに疲れている状態でも保険会社に問い合わせをしなければいけないのはアメリカならではでしょう。

アメリカでも日本でも、生まれて間もない赤ちゃんがNICUに入ってしまったらとても心配ですよね。筆者の場合、NICU退院の目処がついた頃に「退院したら嫌でもずっと赤ちゃんと一緒なんだから、今は『降ってわいた休息時間』だと思ってリラックスして」と日本とアメリカのスタッフから同じ声かけをしてもらいました。システムの違いはありますが、どちらの国のスタッフも一生懸命に治療にあたってくれるのは変わりません。この記事が入院されている方の支えになれば幸いです。

 

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