日本人が戸惑うアメリカ医療保険用語、HMO、PPOやEPOなど医療保険の種類をご説明します!
アメリカと日本では医療システムにおいて様々な違いがあります。そのうちの一つが保険の違いです。アメリカでは日本のように国民全員が入れる健康保険は無く、自分たちで保険会社や種類を選んで医療保険に加入しなければいけません。今回は医療保険の基礎知識やHMOとPPOといった保険の種類について説明します。
アメリカの医療保険の基礎知識
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①保険のネットワーク
アメリカの医療保険には「ネットワーク」というシステムがあります。契約しても、保険が医療費を一部負担(カバー)してくれるのは、基本的にネットワーク内(In-network)の医師や病院だけです。 ネットワークにどの医師や病院が参加しているかは、保険会社やプランによって違います。また、医師や病院側も複数のネットワークに参加していたり、途中で抜けてしまったりします。
②保険の種類
医療保険はネットワークの観点から見るとHMO(Health Maintenance Organization)、PPO(Preferred Provider Organization)、EPO(Exclusive Provider Organization)の3つの種類に分けられます。 この保険の種類とネットワーク内外の組み合わせが自分たちの支払う医療費に関係してくるので、契約の際は注意が必要です。
HMO
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HMOの保険の特徴です。
●契約したらネットワーク内からかかりつけ医(Primary Care Physician略してPCP)を決めて、原則的に何があってもまずそこにかかる
●常にかかりつけ医にかかるので、信頼関係が築きやすい。
●専門医の治療が必要な場合は、かかりつけ医に紹介してもらってから
●ネットワーク外の医師や病院はほぼカバーされない
●保険料と医療行為を受けたときの自己負担額が安い
医療保険を含めた医療費全体を安く抑えたい場合はHMOがおすすめです。しかし、これは事故や深刻な病気が無かったらの場合です。ネットワークが限られていることによるデメリットは以下の通りです。
●耳鼻科、皮膚科、産婦人科…と専門医にかかりたい場合もまずかかりつけ医を通してからになるので時間がかかる
●最新医療がネットワーク外であることがあり、十分な治療が保険適用内で受けられない場合がある
●緊急時、ネットワーク外の病院に搬送されてしまい、保険が適用されず高額な医療費を請求される可能性がある(サプライズビル)
●緊急時、ネットワーク内の病院が近くにない場合、遠くのネットワーク内の病院まで時間をかけて運ばれる可能性がある
PPO
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次にPPOの保険の特徴です。
●かかりつけ医を決めず、専門医にかかる時も自由に予約していける
●ネットワーク内の医師、病院や設備などの数がHMOより多い
●ネットワーク外の医療機関にかかると少しだけカバーしてくれる
●(地域によっては)日本人医師、日本語が通じる医師はPPOのネットワークに多い傾向がある 治療の選択肢が幅広く、かかりつけ医を通す手間が無いのが魅力のPPOですが、自由度が高い分費用が高くなります。
●保険会社が支払う前に一定額全額自己負担する金額(Deductible)がある(ただし保険料が高くなるほど設定金額は0に近づく)
●HMOと比べて保険料と毎回の自己負担額が高い PPOのデメリットは主に金銭的な部分です。
EPO
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EPOはHMOとPPOの中間のようなタイプです。
●かかりつけ医を決めず、ネットワーク内の医療機関に自由にかかれる
●HMOのようにネットワーク外の医療機関は全くカバーされない
●保険料はHMOとPPOの中間 医療機関を比較的自由に選び、かつ保険料を抑えたい場合はEPOも検討できるでしょう。
保険選び
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どのタイプの保険にするか迷われる方も多いと思います。選択のヒントになる考え方をご紹介します。
●一人の医師に専門医選びも任せたい
●医療費と保険料を抑えたい
といった場合はHMOがおすすめです。
●かかりたい医師や病院がPPOのネットワークにしかいない
●自由に専門医にもかかりたい
という場合はPPOの方が良いかもしれません。
「ネットワーク」というアメリカの医療保険独自のシステムに基づいた保険の種類についてご紹介しました。さらにそれぞれの保険の中にもランクがあったり、保険会社や地域によってもプラン内容は変わってきます。アメリカ生活に不可欠なのに煩わしい保険選びですが、この記事が参考になれば幸いです。