アメリカ人がいまだに口にしてしまう人種的死語。昔はOK、今言うと白い目で見られる差別的NGワードって何? 

日本のテレビでも放送禁止用語が増えているように、世界は差別用語に関してどんどん敏感になっています。人種のるつぼアメリカはその点厳しそうな気がしますが、実際国土が広い分何が差別用語かすらよくわかっていない人も多いようです。今回は知識人でも「これダメなの?」となるかもしれないものを含め、最近話題の人種NGワードについてご紹介します。

 

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オリエンタル Oriental

 
 
 
 
 
 
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A post shared by Johnnyx (@johnnyx530) on

私たち東洋人のこと。オリエンタルという言葉はカーペットなどのモノに対する形容詞であり、昔の東洋人はモノとして考えられていたんです。そういうわけで、最近アメリカ人が必死になって回避しているワード。

ニューヨークやワシントン州では政府関係の書類にオリエンタルという言葉を使うことを禁止しています。 アジアンと呼ぶべきだとよく言われますが、これも微妙。理由はアジアンと呼べる地域が広すぎるから。なので日本人はジャパニーズ、中国人はチャイニーズという呼び方をするのがベストだと思います。

インディアン Indian

 
 
 
 
 
 
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A post shared by Hannah G (@hannah_760) on

カリブ海をインド洋と勘違いしたクリストファー・コロンブスのおかげで、ネイティブ・アメリカンはインディアンと呼ばれるようになりました。オリエンタルほど問題視されることはありませんが、コロンブスがいけ好かないと思っているネイティブの人たちも多いです。

インド人と区別するためにもネイティブ・アメリカンという言葉を使う方が良いと思いますが、インド人を含む南アジア人のことはデシ(Desi)と呼ぶこともできます。

スパニッシュ Spanish

 
 
 
 
 
 
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A post shared by Sebastian (@sebastianartist) on

想像以上によく耳にするワード。特にミッドウェストや東海岸で、見かけが中南米の人をひっくるめて「スパニッシュ」と呼ぶ人が多いです。我々がアメリカで「チャイニーズ」と呼ばれ続ける理由かもしれません。ヒスパニック/ラティーノと呼ぶことが多いですが、どちらがベターなのかこれも論争も尽きません。

ウィキペディアによると、ヒスパニックはスペイン語を話す人たちなので、ポルトガル語を話すブラジル人などはヒスパニックに該当せず。響きが良いのでヒスパニックという言葉を使う人の方が多いですが、ラティーノ・ラティーナの方がより広い意味で使いやすいでしょう。

カラード Colored

 
 
 
 
 
 
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A post shared by Sovereign Empress Apparel (@sovereignempressapparel) on

色のついた=黒人の意味です。田舎のおじいちゃん、おばあちゃんのみがこのワードを使っていると思ったら大間違い。2008年にオバマ大統領が就任した際に、当時22歳の女優リンジー・ローハンがTVインタビューでこの言葉を使い騒ぎになりました。

アフリカン・アメリカン、もしくはブラックと呼ぶのが適切。もともとのルーツはそこにあるのかもしれませんが、自分の出身地が例えばハイチだったりする場合アフリカン・アメリカンと呼ばれるのが変だと思う人もいるそうです。

ムラート Mulatto

 
 
 
 
 
 
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A post shared by BrizioMarto (@martonefabrizio) on

韻が踏みやすいので歌詞によく出てくるワード。ムラートとは黒人と白人のハーフのことを指します。もともとスペイン語のMulatoとはミュール、ロバの子というような意味合いがあるので、使うのを避けたいところです。

異人種ミックスを表現する言葉は他にもありますが、それが当たり前になった現代ではあまりもう耳にしません。聞かれれば、ハーフ・ホワイト、ハーフ・ブラックという言い方をします。アメリカに住む日米ハーフの方だと、Ha-fuとして自分たちのアイデンティティを築いています。

人種間のテンションが高くなりがちなアメリカ。相手がどう思っているのか分からなかったら、まずは「この言葉を使ったらまずい?」と直接聞いてみるのがいいかもしれません。自分自身もオリエンタルと呼ばれたら嫌なのか、アジアンとひとまとめにされていいのか?アメリカに住むということは、自分のアイデンティティについて考える良い機会だと思います。

 

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