U.S. Frontlineからの転載記事です。オリジナル記事はU.S. Frontline 2016年9月号 に掲載されております。また、U.S. Frontlineでは最新ビジネス動向から、アメリカ生活に役立つ教育、医療、法律関連情報から全米各地のコミュニティ情報やグルメ、旅行、エンタメといったジャンルを幅広くカバーしておりますので、是非、本記事以外の面白い内容のものを見つけてみてください!)
記事構成
オリジナル本文:ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)
記事修正:mAmerica
飲酒運転=危害を加える行為→ビザ取り消し
アメリカ国務省のビザオフィスは、ビザ発行後にビザ保持者が飲酒運転で逮捕された場合、ビザを取消すよう領事館へ指示を出しました。新たな要件として、例え有罪判決が下されなかったとしても、飲酒によるすべての逮捕歴がビザ申請の一部として審議されなければならないことになります。では、なぜ飲酒運転がビザ取消しにつながるのでしょうか。 これは、飲酒運転が、移民法212条(a)(2)(A)(iii)項に規定される、危害を加える行為を伴う恐れがある身体的もしくは精神的障害による入国拒否に当てはまるという理由からになります。これにより、過去5年間に1回でも飲酒運転により逮捕された場合、もしくは過去10年間に2回以上の飲酒運転による逮捕歴がある非移民ビザ申請者に関しては、ビザを発給する前に、医師による診断を受けなければなりません。これまで、飲酒運転での逮捕による発行済のビザの取消しは、通常の手順ではありませんでした。以前は、飲酒運転の逮捕があったとしても、ビザ保持者の次のビザ更新までは、影響しませんでした。しかし、今後はビザが発行された後でも、ビザ審査官は飲酒運転の逮捕や有罪判決によりビザを取消すよう義務付けられました。
再入国時に深刻な問題になる可能性も
ビザの取消により、強制送還されるということにはなりませんが、逮捕後にアメリカを出国した場合は、再入国時に深刻な問題となる可能性があります。アメリカでの手続き上、逮捕された際にお住まいの警察により指紋採取が行われますが、その逮捕記録が国務省の職員へ通知されます。それにより、国務省はビザ保持者のビザを取消す義務が発生します。重要なポイントは、ビザが取消されても、現在のアメリカでのステータスへの影響はありません。つまり、ビザの取消によりアメリカを出国しなければいけない義務は発生しないわけです。しかし、ビザ取消後にアメリカを出国した際に、同じビザでアメリカに再入国することができません。また、逮捕後すぐに出国し、国務省に逮捕歴の通知が何らかの理由でなされていないうちに再入国できたからといって、その次にも同じように再入国できるとは限りません。再入国するためには、再度、自国へ戻り大使館・領事館にて新規にビザ申請を行い、新しいビザが発行されなければなりません。またビザ面接の際には、逮捕に関する説明が求められるでしょう。
*本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な場合は、専門家に相談してください。
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