アメリカの現地小学校は安全なのか?家庭、地域と学校で行うセキュリティ対策とは?

小学校への確実な送迎と環境 小学生の通学はスクールバス、もしくは保護者が送迎をします。学校近辺の生徒は、保護者と一緒に徒歩通学をしています。学校近くの交差点では、ボランティアの人が毎朝夕生徒の安全を見守っています。また、性犯罪者は小中学校やデイケアセンターから300メートル以内には住んではいけないという法律があります。

小学校での安全対策

小学校のドアは全部施錠されていて、休み時間になるとスタッフが鍵の開閉をし校庭に出て子ども達を監督しています。登下校は玄関のみ出入りできます。玄関にはモニターが付けられていて、学校内に出入りする人をすべてオフィスで管理し、その都度顔と声を確認してからドアを開けるようになっています。

ロックダウン(学校閉鎖)訓練

火災や竜巻の訓練の他にも、不審者が入った時に備え全校でロックダウン(学校閉鎖)の訓練もしています。近年「学校に爆弾を仕掛けた」という電話があり、全校生徒を速やかに学校近くの教会に歩いて避難させるという事件もありました。その後の調べでその電話はいたずらだったのですが、当日はEメールと携帯電話で保護者あてに緊急連絡が行き、教会まで保護者が生徒を引き取りに行くということになりました。

誘拐への対策

幼児や小学生が、小さな公園で子ども同士遊んでいる姿はほとんど見かけません。必ず親が付いて大きな公園で監督をしながら遊ばせるか、親同士でプレイデートの日を決めて家に送り迎えをし、家の中か庭で遊んでいます。家庭によっては、警備会社のアラームを設置して侵入者を防ぐ対策がなされています。また、小学生でも安全のために携帯電話を持たせていますが、学校内では使用禁止にしています。ハロウィーンの日には全校生徒が仮装して小学校の近くをパレードしますが、ある年、不審な男が小学生の様子をうかがいながら声をかけてきたので、急遽パレードは中止になり体育館に戻ったこともありました。通報するとすぐに警官が駆けつけて、学校のそばをパトロールし、警戒が数日続いたという出来事もありました。

悲しい掲示板

大手スーパーマーケットの掲示板には、行方不明者の顔写真と名前や当時の服装などが貼り出され、住民からの情報提供を求めています。児童誘拐や行方不明事件の際には、TVやラジオなどのメディアを通して緊急警報(アンバーアラート)を流したり、携帯電話にも警報が入るようになっています。そのように地域住民に素早く情報を知らせることで早期解決の効果があります。 子どもにとって安全で暮らしやすい地域にするには、住民の協力と家庭と学校での徹底した安全対策が必要になっているアメリカです。その結果、自宅に警備のアラームを付ける他にも、不意の侵入者に備えたり、庭に出没する危険な動物(コヨーテや庭を荒らす犬など)を撃つのに、銃を所持している家庭もあります。筆者の住む街は、犯罪が多発する大都会に比べるとまだまだ安全ですが、常に犯罪が身近に起こるかもしれないという意識を持って生活することがアメリカでは必要です。