アメリカのクリスマスは楽しいだけじゃない?日本人の駐在員、駐在妻が知っておきたいホリデー・シーズンの習わしとは?

あいさつ:トランプ大統領は「メリー・クリスマス」派 待望のクリスマス・シーズン、つい浮かれて「メリー・クリスマス!」なんて挨拶していませんか?もし連呼しているようであれば、ちょっと配慮に欠けた人と思われているかもしれません。アメリカには、各国から様々な宗教を信仰する人たちが集まります。「メリー・クリスマス」は、キリスト教が使用する祝いの挨拶です。クリスマスと同じ期間になると、ユダヤ教なら「ハヌカ」、アフリカ系をルーツに持つ人は「クワンザ」を祝います。日本人が宗教観に関してやや鈍感であることを差し引いても、それぞれの宗教に対するリスペクトは常に持っておきたいですよね。アメリカ国内でもたびたび論争が起こる、「メリー・クリスマス」問題ですが、言葉選びに迷ったら、「ハッピー・ホリデーズ」と挨拶してみると良いでしょう!

クリスマスカード:赤や緑もクリスマスカラー!?

こちらも宗教が関係するため、色々と気を配らなくてはなりません。特に、知人や取引先の人など、不特定多数に大量に送る場合です。メリー・クリスマスの文字や十字架、飼い葉桶に眠る幼子のイエス・キリストなど、キリスト教を彷彿させるようなデザインは避けたほうが無難です。ホリデー・シーズンに相手に嫌な思いをさせては元も子もありません。大手コーヒーショップのスターバックスさえ、無難なデザインを採用するくらい気を遣うデリケートなトピックなので、相手の宗教がわからない場合は、雪や自然をモチーフにした冬っぽいグリーティング・カードを送りましょう。

パーティー:考えることが山ほど、ゲストも大変

ホリデー・シーズンは、パーティーに招かれる機会が増えます。いわゆるRSVP(返信)を求められた場合は、日本と同様にきちんと出欠の返事を出しましょう。また、パーティーに参加する際は、必ずドレスコードを訪ねておくことも忘れずに!ホリデー・パーティーでは、「Festive Attire」を指定されることが少なくありません。ホリデーっぽい色使いなど、ちょっと遊び心を加えたスーツやドレスを選びましょう。 次に、訪問時間について。律儀な性格の日本人、小さな頃から10分前行動を守ってきた人も多いはずです。しかし、それが失礼にあたる場合もあります。もし、アメリカでパーティーに招待されたのであれば、指定された時間よりも遅れて訪問しましょう。これは、アメリカ人が時間にルーズだからというわけではありません。自宅を訪問する際のマナーだからです。はりきって早めに到着してしまうと、気まずい思いをしながら開始を待たなくてはなりません。ホストの歓迎してくる気持ちに水を差さないためにも、あえて時間をずらした訪問を心がけましょう。

パーティーのお土産: 手ぶら参加はあり得ない

ホームパーティーの際は、手土産を持参することを忘れずに!たとえ「気を遣わないで」と言われたとしても、その言葉を素直に受け取ってはいけません。アメリカでも本音と建前は存在します。できれば、ワインやシャンパンなど、飲み物類を贈ることが好ましいでしょう。また、チョコレートやクッキーなど、日持ちのするスイーツ系もアリかもしれません。日本では部屋に通された後に手土産を渡しますが、アメリカでは迎え入れられたらすぐ、玄関で渡すようにしましょう。

よく知らない人にもプレゼント:懐が寂しくなる分、心が豊かに?

ホリデー・チップ、お世話になっている人にいつもより多めのチップを贈ります。日本の習慣でたとえるならば、お年玉とお歳暮のようなものでしょうか。ただ、日本と違い、そこまで親しくない人にもプレゼントします。顔見知りくらいのドアマンや、レストランのウェイター、郵便配達の人など、名前を知らないような人ばかり!どのように渡せば良いか、戸惑う日本人も多いでしょう。気持ちはわかりますが、アメリカには欠かせない、ホリデー・シーズンを皆で分かち合う素晴らしい習慣です。もちろん、チップ以外でもOK!ギフトカードや映画のチケットなど、お礼の言葉と一緒に贈りましょう。 アメリカのホリデー・シーズンは、楽しいだけの単純なイベントではありません。宗教や文化が混じり合う、ちょっと複雑な事情も窺えます。できれば、キリスト教について少し勉強しておいたほうが、何かと便利かもしれませんし、文化的背景を理解した上でホリデー・シーズンを楽しめそうです。キリスト教の知識を得ることによって、クリスマスの意味やシンボルを理解することができるでしょう。そうすると、知らないうちに宗教観の強い挨拶やカードを贈ることを回避できます。幸せで和やかな雰囲気に包まれた特別な季節、お互いのルールや文化を尊重して、笑い声の絶えないホリデーをお過ごしください!