アメリカで無保険のまま妊娠発覚!どうなってしまうの?そんな時の選択肢は?

「悪名高き」と揶揄されてしまうほど、アメリカの医療費は高額です。『妊娠中にハワイ旅行をしたら早産してしまい数千万円の請求が来た』というニュースも話題になりました。アメリカ在住で妊娠の予定がある方は、高額請求を避けるために医療保険に入っていると思います。しかし、もし無保険状態で妊娠してしまったらどうしたらいいのでしょうか。筆者の実体験を交えて選択肢をご紹介します。

 

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特例で保険加入できないかチェックする

日本と違い、アメリカでは妊娠出産に関わる医療費は保険でカバーされます。つまり、適切な保険に入りさえすれば、出産で破産はする事態はまず避けられます。ところが、アメリカの医療保険は原則加入期間が毎年11~1月頃と決められていて、いつでも入れるわけではありません。

しかし、一定の条件を満たせばこの期間以外の時期にも加入することができます。結婚や移住など、大きなライフイベント発生から60日以内なら「スペシャル・エンロールメント」として特例で認められます。「子供の誕生」も条件に当てはまりますが、妊娠は当てはまらないので注意が必要です。

アメリカ在住の日本人では「結婚」「引越」の条件に当てはまるケースが多いのではないでしょうか。 通常は会社や学校などの所属先を通して保険に加入しますがが、そのような所属先が無い場合、別途個人で保険に加入する必要があります。しかし、個人で加入すると毎月の保険料が膨大な額になってしまうので、その場合政府の保険マーケット(いわゆるオバマケア)を介して加入すると費用を抑えることができます。

政府健康保険登録サイト(HealthCare.gov) 公式URL:https://www.healthcare.gov

妊娠中にいつ保険加入できるかチェックする

スペシャル・エンロールメントで入れなくても、アメリカでは妊娠中でも保険に入ることができます。妊娠を既往症として加入が断られることはありません。保険マーケットが開いている11~1月に妊娠発覚したのであれば、すぐに加入すれば最短で1月から保険が有効になります。10~12月に出産予定以外の方も加入すれば、少なくとも妊娠期間の一部から出産と新生児のケアがカバーされます。

筆者の場合は夏に妊娠が発覚したので、その年の11月に保険加入、翌年1月保険が有効になった後の春に出産です。妊娠後半以降が保険でカバーされることになりました。

助産院の利用を検討する

保険の次は産む場所の選択です。地域や各施設によりますが、助産院は一般的に病院にかかるよりも費用を抑えられるとされています。現地のサイトでも無保険妊婦には助産院の利用が勧められています。助産院にかかれるのは健康な妊婦に限られ、分娩時は各助産院の提携先の病院を利用しますが、病院よりも親身になって妊娠出産をケアしてもらえるメリットがあります。

病院の無保険患者向けパッケージプランを問い合わせる

病院が無保険の妊婦向けにパッケージ料金を用意していることもあります。病院のホームページに明記されていたり、問い合わせると教えてくれます。筆者の場合は、まず近場の病院からパッケージプランを用意しているところを絞りこみました。ある病院のパッケージプランは産科医による初診~出産までの健診と分娩代がセットになって$5,600、さらに相談しているうちに$4,900まで割引が可能と教えてもらえました。

妊娠期間中の必要な諸検査はまた別に費用が掛かってくるとのことでしたが、各検査の自己負担額と妊娠週数ごとに必要になる検査のリストをいただき、今後かかる料金が事前にほとんどわかりました。明朗会計で、医師やスタッフの雰囲気も良かったので、この病院のお世話になることにしました。

日本への帰国出産も検討する

通える範囲内の病院にパッケージプランが無かったり、かかる出産費用がどうしても高額になりそうな場合は、帰国して出産することも一つの手段です。リスクのある妊娠出産の場合はさらに医療費がかかってくるので、アメリカで出産するよりも、日本へ帰国して出産した方が費用を抑えられる場合があります。初めての妊娠でしたら、言葉の通じる日本で出産した方が精神的負担も軽いかもしれません。近年海外からの帰国妊婦を受け入れている病院もネットから探せるので、選択肢の一つとして帰国を検討するのもいかがでしょうか。

アメリカで妊娠出産する場合は保険に入っていることが大前提ですが、子供は授かり物、思った通りにいかず無保険の時に妊娠してしまう可能性もないわけではありません。無保険出産がすぐ破産につながるわけではないので、まずはお体を大事に、落ち着いて費用を抑えられる方法を探しましょう。

 

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