遺伝子組み換え食品(GMO)は安全、それとも危険?アメリカに住むなら知っておきたい、遺伝子組み換え食品についての豆知識!

遺伝子組み換え食品と聞くと、読者の皆さんはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。アメリカでは実は生産・流通されている大豆、トウモロコシ、綿の9割以上は遺伝子組換え作物(GMO)であり、加工食品の7割以上に何らかのGMO原料が含まれていると言われています。近年、GMO食品の健康や環境への影響が数多く報告されており、アメリカ国内でもGMO食品とそうでないものの見分けがつかない現状の改善を訴える声が挙がっています。そこで今回は、遺伝子組み換え食品に溢れるアメリカで、賢く生きられるための豆知識をご紹介していきます。

遺伝子組み換え作物(GMO)とは?

A post shared by @stdaycee on


遺伝子組み換え作物(GMO: Genetically Modified Organism)とは、自然界では起こり得ない遺伝子の組み替えを人口的に行って作られた作物です。よく生産されているGMOには除草剤耐性と殺虫性と大きく2種類あります。除草剤耐性は除草剤をかけても枯れない作物なので、栽培時に雑草を取り除く為に除草剤をかけても大丈夫というものです。

殺虫性の作物は、その作物を食べた虫を殺す毒素が含まれているため、殺虫剤の利用を抑えられるとされています。人口的な遺伝子操作を行った作物は通常の作物よりも強く、気候にも影響されにくいため、安定した供給に役立つとされています。

遺伝子組み換え食品が注視される理由

A post shared by Love Bizarre (@luvbizr) on


一方で、健康や環境への影響も報告されていて、消費者や農家の中には不信感を表わす人も多くいます。

1. 健康への影響

GMOを長期的に摂取するとガンを発症しやすくなると考えられています。フランスの大学が行なった実験では、除草剤耐性トウモロコシを食べたマウスは非GMトウモロコシを食べたマウスに比べて、早期に巨大な腫瘍ができたとの実験結果を公表しています。また、近年の食物アレルギーの増加にも遺伝子組み換えが一因となっているのでは、との声もあります。

消費者だけでなく、GMO生産国で栽培に関わっている労働者や近隣住民への健康被害も報告されています。例えば、アルゼンチンでは大豆栽培が盛んですが、除草剤耐性の大豆を栽培し始めてからは、大量の除草剤が飛行機で散布されています。近隣住民は、その影響で多くの人々がガンや白血病を発症したり、障害を持った子供が生まれてきたりするようになったと訴えています。

2. 環境への影響

除草剤耐性作物の栽培が盛んになり、除草剤が頻繁に散布されるようになったことで、それに適応するために雑草も進化していることが報告されています。そのため、より強い除草剤が求められるようになり、ベトナム戦争中に使われた枯葉剤と同じような成分を持つものが開発されています。また同様に、殺虫性の作物を食べても死なないように虫も進化を続けており、より強力な殺虫剤が利用されるようになっています。

強力な除草剤や殺虫剤は人間の健康への影響はもちろん、土壌や川の汚染、野生動物への影響、生物多様性への影響などを懸念する声が絶えません。

アメリカと遺伝子組み換え表示

A post shared by GMO Free USA (@gmofreeusa_official) on


こういったGMOの影響を懸念する消費者により、アメリカでは生鮮・加工食品の遺伝子組み換え原料の明記を義務化しようという動きがあります。2012年頃から活発化し始めたこの運動により、各地で講演やデモが開催され、2014年にはバーモント州で初めて遺伝子組み換え表示義務化法案が可決、2016年に施行されました。

しかし、これらの運動は食品業界からは大反発を受けており、さまざまな反対キャンペーンも同時に進行していました。その結果、2016年7月に新たな法案が成立し、義務化は無効となりました。2018年5月現在、アメリカ国内で遺伝子組み換え表示が義務化されている州はありません。

目印のマークでGMOとNon-GMOを見分けよう

A post shared by Non-GMO Project (@nongmoproject) on


GMOであるかどうかの表示は義務化していませんが、GMOでないことを示すマークを見たことがある人は多いのではないでしょうか。GMOが含まれていないことの確認に役立つ、よく見かけるマークをご紹介します。

1. USDA ORGANIC:アメリカ農務省がオーガニックと認定した商品に表示されるマークです。審査基準の1つとして、GMOが使われていないことが求められます。

2. NON GMO PROJECT & NSF NON GMO:これらのマークは、それぞれの非営利機関がGMOが含まれていないかどうかを審査し、通過した商品のみ表示できます。

また、バラ売りの野菜やフルーツを購入する際は、貼ってあるシール(PLU:Price Look Upコード)をご確認ください。通常PLUは4桁ですが、それが5桁で番号が9から始まる場合はオーガニック、8から始まる場合はGMOであることを示しています。

GMO食品を避ける方法をさらに詳しく知りたい方はWhole Foods(ホールフーズ)のウェブサイトを訪れてみてください。カテゴリーごとに何を選ぶと良いのかがわかりやすくまとまっています。

今回は食の安全を守る上で役立つ、遺伝子組み換え食品に関する知識をご紹介しました。GMOに関してはまだまだ研究や議論が続いていて、一概に良し悪しを判断することは難しいと思います。だからこそ、これからも注目していきたいトピックですね。スーパーマーケットを訪れる際は、ぜひオーガニックやNon-GMOのマークを気にしてみてください。

関連記事:駐在妻がアメリカのスーパーマーケットで悩むこと、よく見かけるGMO、KosherやrBSTの表示ってどういう意味?