【Youは何をしにアメリカへ?】キャリアチェンジのためにニューヨークまでやって来た社会人留学生のリアルな現実を聞いてきました!

ファッションデザイナーになるため、日本で会社を辞めて、単身でニューヨークにやってきたAさん。マンハッタンという大都会で、夢に向かってたくましく生きる彼女ですが、なぜ彼女は日本からアメリカに飛び出したのでしょうか?20代後半でキャリアチェンジを考える方、ニューヨークに住んでみたい方、必見のインタビューです。

アメリカに来ることになったきっかけ

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アメリカのニューヨークに来ることになった理由はズバリ、キャリアチェンジをしようと思ったからです。最初は日本の外資系マーケティング会社で3年働きました。その会社は、海外経験があったり英語が話せる人材を探していたというのと、私自身マーケティングや購買行動、心理学に元々興味があったからです。あと、「アメリカで日本語が話せる」のと「日本で英語が話せる」のとどちらがメリットになるかと考えた時に、明らかに「日本で英語が話せる」方が需要があるかなと思ったのも日本で就職した理由です。

ただ、働いてるうちに自分と合わない文化や風習、考え方を感じ始めました。例えば、年功序列が染み付いた階級社会。自分が出した成果や実力ではなくて、会社に長くいた人がお給料を多くもらえるのはおかしいんじゃない?と。あとは「こうあるべき」っていう日本社会が産み出した定型の理想像があると感じたり、自己犠牲が良しとされている所も疑問に思っていました。そんな時に、元々すごく興味があった「ファッション」のことをふと思い出しましたんです。実は就職前の学生時代、マサチューセッツに留学していた時に、ニューヨークでファッション関係の就職活動していたくらいの私。でも結局ビザの問題で時間切れになってしまって…仕事が合わないと悩んでいて、好きなファッションのことを思い出した時に、冷静に自分のこと、人生を見つめ直してどうしたいか考えました。

結果は、「自分が好きなことを仕事にしたい」ということ。だったら20代のうちに大きくキャリアチェンジするために、日本の会社は辞めてファッションデザインの進んだニューヨークで勉強しようと思いました。大学でファッション関係の授業は少し取ったことがあるけど、ちゃんと勉強はしたことはなかったので。アメリカは未経験でもトライさせてくれたり、チャレンジする人を後押ししてくれる風土があるから、よしやってみよう!と決心がついたのかもしれません。不安はあったし、自分でもどうなるかわからないけど、やってみないとわからないこともあるじゃないですか。不安にとことん付き合って準備万端にしてからにすれば良かったのかもしれないけど、あえてあんまり考えないようにしていた気もします(笑)

今考えると若いタイミングで社会人としての基礎ができたり、数字やマーケティングを沢山扱うことができたので、日本で働けたのは無駄じゃなかったと思います。むしろ、本当にやりたいことを思い出すことも出来たから良かった!私は遠回りしたけど、小さい頃から洋服の絵を描いたり、手を動かして何かを作るのも好きだったから、その夢のための勉強が出来て、今新しいキャリアの第一歩に立てているのが嬉しいし、有難いことだなと感じますね。

渡米前に何か特別に準備したことはある?(VISA、英語、住宅など)

どこの学校に留学するか考えた時に、前から知っていたファッションで有名なパーソンズ美術大学※を真っ先に思いつきました。そこからパーソンズに行くための準備と、ビザ取得を1年くらいかけて行いました。コラージュを作ったり、志望動機のドキュメントを書いて申請、合格したらビザ申請とあっという間に渡米でした。

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ちなみにビザ取得のために学校をかなり急かしました。学校から必要書類が届いてから大使館からビザが出る、という仕組みなのですが、何でも自己責任なので学校が書類を送るのが遅れていたら電話をかけて催促です。言ったもん勝ちのアメリカですから(笑)

渡米の準備が整った後、学校の近くで家を探しました。でもマンハッタンはどこも高すぎて…少し離れた場所で暮らし始めました。でも通学でかなり時間がかかってしまい大変だったので、今はマンハッタンでお手頃な女性寮を見つけ暮らしています。人気物件だったので空きが出るまで、9ヶ月程待ちましたね。

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今の仕事内容は?

大学卒業後、アメリカではOPT(Optional Practice Training)という働けるビザが1年間貰えアメリカに滞在できます。大体皆このOPT期間に就職活動やインターンをします。私は2年でパーソンズを卒業後、今はアメリカのレディースの服のブランドでインターンをしています。朝9時から18時まで週5で働いていますね。そのブランドは自社でデザインしているのですが、デザインする前段階として服の素材を調査したり、生地の選定、無かったら調達したり、生地屋さんとの交渉をしたりと「生地」にまつわる仕事をしています。

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あとは秘書のようなアシスタント業務も多いです。例えば上司の書類の整理、コピー、ひたすら生地のサンプル整理をしたりと様々です。意外と地味ですよね(笑)。「ファッション業界でインターンをしている」と聞くときらびやかな世界を想像する人も多いと思いますが、実はとても地道で地味な作業もあるのです。でも、もちろん普段体験できないような貴重な経験もさせて頂いています。

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NYでは毎年大きなテキスタイルの展示会が開催されているのですが、インターン中の私もその展示会に同行させて貰いました!生地のトレンドを読めたり、会場に行って自分の目や耳で吸収できる事は沢山あって…普段地味な作業も多いからこそ、このような機会はご褒美のような存在です。インターンをしてみて感じたことは、学校で勉強したことと、リアルなビジネスの現場との違いは、費用対効果を考えなくてはいけない所かもしれません。学生は予算を考えなくていいし、デザインも好きにしていい。でもビジネスだと、新しい生地を買うよりもまず手持ちの生地でどういうデザインができるか、を考え巡らします。コスト良く運営するために数字と向き合うことも多いです。

また、インターンとは別にフリーランスの仕事もしています。日本の繊維会社に、NYのファッションやテキスタイルのトレンドを月1回レポートする、というものです。仕事終わりや週末にお店へ出かけて、ディスプレイや取扱商品についての考察を写真と併せて伝えています。元々この仕事はパーソンズの教授から紹介して頂きました。日本の繊維会社で働いているパーソンズの卒業生が、「日本にいるとNYの生のトレンド情報がオンタイムで入りにくい」と困っていたみたいで。ではNYにいる学生が日本の企業にトレンド情報をレポートすると、日本の会社にとっても学生にとってもwin-winになるのではないか?と構想が練られていたようです。教授の計らいと、タイミングの良さでとてもラッキーなお仕事を頂けました。物価の高いNYで、インターンの収入だけで生活をするのはキツイのでとても有難いですね。

アメリカに来て1番大変だったこと、カルチャーショックは?

大学で授業を受けながら、課題で自分で納得のいく服を作り上げることが一番大変でした。実は小学生ぶりにミシンを使ったので、最初は課題を時間内に終わらせることも難しかったです。少しずつ慣れてきたら、今度は納得のいくものを作ることがどうしてもできなくて…何度もやり直したり、自信が無くなってしまったこともありました。自分の能力へのフラストレーションとも戦っていたんだと思います。それでもひとつひとつ経験していくうちにコツが掴めてきました。

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上達のポイントは「時間内に課題を終わらせることを最優先にした」ということ。「納得のいく作品を目指していたので時間内に間に合いませんでした」ではまったく意味が無いと思いますし、8割でも時間に間に合うということが第1関門だと感じたからです。これに慣れたら、後は8割の完成度を10割に持っていく、が第2関門でしたね。

反対に良かったことは?日本の友達に自慢できるようなことはある?

アメリカのファッション業界で働けていることです!世界4大コレクションが開催される、ミラノ、パリ、ニューヨーク、ロンドンはやはりファッションの発信力が世界でトップです。日本のファッション業界で働いたことが無いので比べることは出来ないのですが、特に若いデザイナーがどんどん出てきているニューヨークは発信力がある上に、チャレンジする人を応援する風土もありました。

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ファッション業界で働いた経験はまったく無かったのですが、そのことがキャリアをスタートする障害になったと感じたことはありません。きっと採用する会社からすると「この人と一緒に働きたいかどうか」「この人は一生懸命働きたい気持ちがあるのか」ということを大切にチェックしていると思いますね。特に私のような業界未経験のインターンでは、今のスキルも大事とはいえ、「働く姿勢」の方が大事だと感じます。

アメリカでの生活全般について(食事、移動手段など日本との違いについても)

ニューヨークは沢山美味しいレストランがあるのですが、高いので外食はあまりしません。週末に友達と行く事があるくらいでしょうか。朝はフルーツ(道で売っているものが安くてよく買います)をミキサーにかけてジュースにして飲んでいます。ランチやディナーは安いデリでおかずを買ったりしていて、料理はあまりしていません(笑)

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私はマンハッタンに住んでいるのですが、移動手段は自転車か徒歩、たまに地下鉄というスタイルです。今働いている職場までは自転車で10分くらいです。自転車は、シティバイクというシェアリングサービスを使っておりとても便利ですね。年間会費は150ドルなのですが、とても満足しています。近場の旅行(市外)は、電車でも行けるので車が無くても暮らせています。

平日、休日1日の過ごし方を教えてください。

ー平日の過ごし方ー
8:00 起床
9:00 出社、仕事
18:00 仕事終了
19:00 帰宅、友人と食事、ウィンドウショッピングなど
22:00 シャワー
23:00 ネット、メールチェック
25:00 就寝

ー休日の過ごし方ー
9:00 起床、シャワー
10:00 買い物(食料品)、部屋の片づけ、ランドリーなど
13:00 外出、友達とイベントやブルックリンを散策、カフェで自分時間、フリーランスの仕事の記事作成、夏はビーチなど
20:00 友達と食事(友人宅や外食)、バーやラウンジ、たまにクラブ
25:00 帰宅、就寝

交友関係について、周りにはどんなお友達がいて、どうやってお友達を作ってる?

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興味や悩みが似ているので話が合うということもあり、パーソンズの友達が一番多いです。カリファルニア留学時代のアメリカ人の友達や、日本で働いていた会社の同期などもいますが、新しい友達を作る時間が正直無いです…。

オススメのスポットはある?(カフェ、レストラン、バーなど)

ニューヨークで有名なイタリアン「バスタパスタ」です。日本のシェフが料理されているので日本人の舌に良く合います。パルミジャーノレッジャーノのパスタが濃厚でオススメ。

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ミートパッキングエリアというオシャレエリアにある美術館「ホイットニーミュージアム」もよく行きます。現代アートのセレクションがとても良いです。金曜夜7時以降は入場料がドネーション制になるので、お安く観ることができます。

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オススメのデートスポットは?

ウィリアムズバークの「Westlight」というバーはすごくオススメです。お店から見えるマンハッタンの夜景が綺麗!

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ニューヨークでビーチ?と思う方もいると思うのですが、ニューヨーカーがのんびりしている穴場のビーチ「Rockaway Beach」があります。JFKの近くなので少しマンハッタンからは離れますが(地下鉄で30分程)、ローカルな暮らしを体験出来ます。

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ニューヨークという街に住んでみてどう?

今は慣れてきて楽しく暮らせています!ただ最初の頃はやはり大変だったなぁ。今は職場や学校に近いマンハッタンに住んでいますが、渡米当初はラガーディア空港の近くに住んでいました。当時学校への通学が朝は片道40分、夜は遅い時だと1時間半もかかることがあって…特に夜は深夜2時まで学校で課題をこなしてから帰宅することが多かったのですが、地下鉄が途中で突然止まってしまって30分以上車内に閉じ込められてしまうこともありました。眠らない街ニューヨークの電車は24時間走っていると言われますが、夜間運行の無い路線も実はあります。アクセスの良い場所に住もうとすると、お金も時間もかかりますね。

ブルックリンの中でもお気に入りのダンボ地区

後私の個人的感想ですが、ニューヨークは好きな人と、嫌いな人がきっぱり別れる場所だと思っていて。私ひとりの人間としても、好きな部分もあれば嫌いな部分もあります。好きだけど嫌い!みたいな(笑)。ニューヨークはそんな風に思って暮らす人も多いのではないでしょうか?ビジネスや、ファッションや、見た目を大切にしてる街なので、合う人もいれば合わない人もいるかと思います。ヒッピーやスローライフなどの言葉を生み出したサンフランシスコや西海岸とは、また違った雰囲気ですね。

これからアメリカでやってみたいことは?

将来はファッションデザイナーになりたいです。「スタイルが良く見える服」「着瘦せできる服」をキーにした服を作りたい。服って見た目がどんなに可愛くても、好みでも、着た時にスタイルが悪く見えると買わないと思います。服は置き物ではないので、着て貰える服を作れたら嬉しいですね。

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アメリカにいるうちに、ファッションデザイナーになるための経験をできるだけ積んでおきたいです。OPTは残り1年ほどで終了なのですが、その後アメリカに残りたい気持ちと日本に帰りたい気持ちで迷っています。もし日本に帰るとしたら、何が自分の強みになるかを考えないといけないですね。日本では経験出来ないことを、今の内に沢山吸収したいです。

自分の人生を自分で決めて、その目標に向かってひたすら努力すること。シンプルで当たり前のことかもしれないですが、言うは易く行うは難し、決して簡単にできることではありません。Aさんはまさにそれを体現し、そのひたむきさにはハッとさせられるものがありました。最後に、これから渡米を考えてる方に向けて、彼女から素敵なメッセージを頂きましたので紹介します!「留学を考えている人は是非一歩踏み出してみて!何か目的を持っていたらきっと良い経験が出来ると思います。私は留学して絶対に良かったと言い切れるから」。それでは、次回のインタビュー記事でお会いしましょう。