佐々木さんのカリフォルニア州立工科大学留学体験記②【アメスマ交換留学】

カリフォルニア州立工科大学のフェスティバル 海外に留学する、と聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか?楽しそう?大変なことも多そう?実際に行ってきたことのある方のお話を聞いてみないとなかなかイメージしずらいところもあるかもしれません。そこでmAmericaでは、日本人留学生グループ、現役の交換留学生の皆さん、アメリカでSIM・スマホサービスを提供するアメスマさんにご協力いただき、各地から現地事情をお伝えしてもらう企画「アメスマ交換留学」をお届けしております。

今回は現在、アメリカのカリフォルニア州サンルイスオビスポ、カリフォルニア州立工科大学(California State Polytechnic University, San Luis Obispo 、略してCal Poly)へ交換留学をしている佐々木さんに、カリフォルニア州立工科大学の様子や研究内容について、お話してもらいました。今後、アメリカ留学を目指す皆さんにとって、必見の内容です!

佐々木さんの留学体験記、第一回目の記事をご覧になっていない方は、「佐々木さんのカリフォルニア州立工科大学留学体験記①【アメスマ交換留学】」を先にお読みいただくことをオススメ致します。

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カリフォルニア州立工科大学基本情報

カリフォルニア州立工科大学キャンパスの風景

・ ロケーション

カリフォルニア州立工科大学(Cal Poly)はカリフォルニア州のちょうど真ん中あたりに位置するサンルイスオビスポという地方都市にあります。ロサンゼルスからのアクセス方法はいくつかあり、飛行機や車で行くのが一般的です。

 

・キャンパス

私が留学しに来た時期は2019年6月の終わりから8月まででしたので、大学は夏季休業中で生徒の数は少なかったです。カリフォルニア州立工科大学(California State Polytechnic University, San Luis Obispo 、略してCal Poly)キャンパスの中には日本の大学にはあまりない広い芝生のスペースが多くありました。学生生徒はそこで円になってディスカッションをしたり、日光浴をしたり、中にはヨガ、読書をしている人もいて、日本にはあまり見ない光景で新鮮でした。日本では土地の関係からあまり広い敷地を取ることは難しいと思うので、少しうらやましく感じましたね。

 

・ 大学内施設

カリフォルニア州立工科大学のカフェテリア

大学の敷地には大きな丘や山などもあり東京ドームが800個くらい入るみたいです笑。キャンパス内に大きな食堂が2つありました。店はハンバーガーやタコスの店が多く私はいつもハンバーガーとポテトのセットを食べていましたが量はちょうどよいくらいでした。夏季休業中で開いていない食堂もありました。食堂内に席もたくさんありましたが、キャンパス内に椅子や机が多くあるので、外で食べる選択肢もありだと思いました。カフェは大学内にスターバックスが2店舗あり、1店舗が改装中でした。大学内には水筒を持っている生徒の為に無料で浄水を入れられるものやマーケット内に水筒やタンブラーに入れると割引されるサービスなどもあり、私がいた研究室のメンバーも水筒を持っている人が多かったです。

私は一度も利用しませんでしたが、カリフォルニア州立工科大学(California State Polytechnic University, San Luis Obispo 、略してCal Poly)キャンパス内には巨大な2階立てのフィットネスジムが1つと、バスケットボールが出来る施設が1つ、それとプールなどもありました。大きなサッカースタジアムもありましたが、私の留学期間中には試合などは開催されませんでした。学業だけでなくスポーツにも力を入れているように感じました。

 

・ 大学が得意な研究分野

留学先の大学について詳しくありませんが、私の研究テーマである超小型人工衛星の開発が盛んに行われていました。私が研究室についたころ開発した衛星を打ち上げて間もない頃で、衛星との通信を行っていました。私が留学に行く前にソーラーセイルという衛星をニュースで見ていたのですが、まさにその衛星を作っている研究室で、研究室に到着してその事実を知った着いた時にとっても驚きました。私のいる大学の生徒より留学先の生徒の方が主体的であり、積極的に研究に取り組んでいているように感じました。大学のポスターや旗に「learn by doing」のフレーズがあり、それをよく体現しているように感じました。

 

外国人留学生や日本人の数

夏季休暇中ということもあり、生徒自体も少なかったですが、日本人には1人も会いませんでした。留学生かわかりませんが、研究室の中には留学生が30人ほどいて、ギリシャから来た人やロシアから来た人など、色々な国から留学生が来ているようでした。ネットで調べた情報によると、留学生の割合は3%という数字が出ていました。研究室では英語が話されていますが、日本語や中国語を話せる人もいて、留学生が入ってきても英語を使ってすぐに馴染めそうな環境だったです。

・留学先の良いところ

カリフォルニア州立工科大学のフェスティバル

私の留学先のサンルイスオビスポは治安の良いところで、夜中でも歩いて帰っても安全で家の鍵を閉めないで来る生徒もいるようで、私が住んでいた日本の九州と同じように感じました。町が3つの山に囲まれているのでハイキングよくする人がいるみたいです。私がいた6月〜8月でも最高気温が22℃の日もあり、とても住みやすくお勧めです。私が留学先に来て2カ月が経ちますが、未だに雨が降ったことがなく、嬉しい反面少し雨が恋しくなりました。毎週木曜日にはファーマーズマーケットといって一般道を封鎖して野菜や果物、屋台のような出店が出てたくさんの人たちが買い物や食事を楽しんでいました。金曜日には小さな音楽グループが来て若い人からお年寄りまで楽しめるコンサートなんかも開催されていて、催し物が多くとても楽しい街だと感じました。

留学先での授業、研究情報

カリフォルニア州立工科大学の研究室での様子

私は宇宙空間にある人工衛星が地上と通信を行うときの地上側の局である、地上局の開発を行っています。従来、衛星と通信をするときにはアナログ回路で構成された無線機を使用しています。信号を送受信する際にその信号の周波数帯や信号処理の方式が異なる場合、この無線機を交換し適切な周波数帯、信号処理が出来る無線機を使用する必要があります。つまり、周波数帯や方式が異なる人工衛星と通信を行いたい場合、それに合った無線機を購入し交換する必要があるのです。

私は研究室の交換留学という形で留学に来ましたので、こちらで授業を取ることはありませんでした。こちらの大学にある実験機器を使って自分の研究を進めていくことを目的にしていました。本稿では私の研究内容についてご紹介します。

 私の研究室では超小型人工衛星の開発を行っています。私の研究は超小型衛星に使われる接着剤についてです。人工衛星に使わる接着剤を人工衛星というと「ヒマワリ8号」や「みちびき」などの大きな衛星を想像する人も多いと思いますが、私が研究している超小型衛星は1辺が10cmの立方体のような形をした「キューブサット」と呼ばれる衛星を研究対象としています。また衛星が地球を周回する際の軌道も異なります。私の対象としている軌道は低地球軌道と呼ばれる軌道で、国際宇宙ステーション(ISS)がある高度の軌道です。地上からみて常に同じ位置にいる「静止衛星」の高度が約36,000㎞であるのに対して、低地球軌道の衛星は高度が約400㎞であるのでその高度の違いがよくわかると思います。そのため低地球軌道の衛星は1日に約16回地球を周回します。

 実際に人工衛星に接着剤を使う前に接着剤が宇宙の特別な環境で機能するか試す必要があります。私が今までに試した試験はロケットの打ち上げ環境を模擬する振動試験であったり衛星が宇宙環境に曝されたときの温度に対して耐性があるかを調べる熱サイクルの試験であったりをしました。

 私がこの留学に参加した目的は接着剤から出るガスの量を調べるためです。有機物質を真空中で加熱することによって発生したガスは宇宙船内の空気を汚したり、発生したガスが人工衛星のカメラのレンズにつくと写真が曇ってしまったり、太陽電池などにつくと発電の効率が悪くなってしまいます。こうした問題を解決するためには接着剤から出てくるガスの量が少ない接着剤を使用しなければなりません。ガスの量を測る方法は規格として確立されているため、その方法を参考にして実験を始めました。

 留学をする前に留学先の教授に連絡を取ってどのような実験をしたいか、留学先にどんな実験機器があるかを相談していくように教授から言われていました。しかし私の場合、実験機器についてよくコミュニケーションが取れていなかったため簡単な実験ですら実際に予定していたセッティングで実験が出来ませんでした。短期留学で研究の時間が限られている人は日本から持っていくことが出来る実験機器はなるべく持っていくことをお勧めします。装置を使っていいかどうか許可を取ったり使い方学んだりする時間を取ってしまうからです。メールを待つのに1日や2日を使ってしまったり、当初できると思っていたセッティングを変更することで余計な実験が増えたりしてしまいました。可能なら日本から実験道具を送ることも考えたほうが良かったと思いました。

私は夏季休暇中で私の研究に興味を持った生徒がいたためその1人と一緒に実験を進めていきました。実験を行う際は必ず2人以上の人と一緒に行わないといけなかったのでスケジュールを調節することも大変でした。初め1か月程度で終わると思っていた試験が実際は2カ月かかりましたが何とか終了することが出来ました。今度同じような機会があったら留学先の情報をより連絡を取って可能な限り具体的な実験手順を送りコミュニケーションをとる必要があると感じました。

 

まとめ

アメリカの人々

いかがでしたでしょうか?アメリカと日本の生活スタイルの違いを肌で実感しつつ、人工衛星に関する専門的な内容でチャレンジングなアメリカ留学生活を過ごす岸本さんですが、アメリカのほうが過ごしやすいと感じるほど現地に馴染んでいる姿が印象的でした。サンルイスオビスポのカリフォルニア州立工科大学(California State Polytechnic University, San Luis Obispo 、略してCal Poly)で研究活動をする岸本さんですが、その様子は引き続き、このmAmerica(まめりか)で共有していただきます。次回の投稿もお楽しみに!

 

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